サブタイトルどおり

『数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ』松岡学 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-518745-6自然数から実数、複素数、そして四元数へと拡張されてきた数の世界について説明した本。そう深くはないし詳細でも簡単でもないが、とりあえずのこと…

エッセイ

『進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語』千葉聡 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-518721-0進化生物学者が書いたエッセイ。エッセイとしては読みやすく確かにうまいが、進化生物学的な内容としてはあまりたいしたものはない。そうしたもので良けれ…

第一章だけは面白い

『戦国、まずい飯!』黒澤はゆま 著集英社インターナショナル新書ISBN978-4-7976-8048-5戦国時代の料理にチャレンジしました、という読み物。雑誌かなにかの連載っぽい感じの、やや雑多な適当なまとめ。小説家が書いているので読みやすくはあり、読み物で良…

EBC

『科学的に正しい子育て 東大医学部卒ママ医師が伝える』森田麻里子 著光文社新書ISBN978-4-334-04452-7根拠に基づく子育て、エビデンスベースドチャイルドリリングを目指した本。やや雑多で、いろいろ集めただけ、という感じはしないでもないが、それで良け…

読み物

『時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」』吉田伸夫 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-518463-9時間に関して書かれた物理学読み物。分かっていることのまとめとか最新理論の紹介とかではなく、時間に関して書い…

それは新潮的な

『マトリ 厚労省麻薬取締官』瀬戸晴海 著新潮新書ISBN978-4-10-610847-1退官した麻薬取締官が自らがしてきたような仕事について書いた本。退官者のエッセイ、といえば、そうしたものなので、それで良ければという本だが、視野が狭い気はする。誰しも自分がし…

読み物としてなら

『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』ルイス・ダートネル 著/東郷えりか 訳河出文庫ISBN978-4-309-46480-0現代科学技術の助けを受けずにどれだけ科学技術を使えるか考察してみた読み物。読み物としては面白くないわけではないが、あまりそれ以上…

教科書

『離散数学入門 整数の誕生から「無限」まで』芳沢光雄 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-518178-2離散数学に関する教科書的な本。ほぼ教科書なので、教科書で良ければ、という本か。読み物とかではないし、分かりやすくも入門でもない。教科書なので、こ…

人間関係エッセイ

『地雷を踏むな 大人のための危機突破術』田中優介 著新潮新書ISBN978-4-10-610840-2危機管理コンサルタントの人が書いたエッセイ。危機管理について書かれていないわけではないが、どちらかといえば、危機管理を行うための人間関係の構築法についてのエッセ…

啓蒙主義と見まがう楽観的科学万能観

『すごい物理学講義』カルロ・ロベッリ 著/竹内薫 監訳 栗原俊秀 訳河出書房文庫ISBN978-4-309-46705-4ループ量子重力理論について紹介した本。超ひも理論の本はいっぱいあってもループ量子重力のものは初めて読んだので、個人的には興味深かった。科学万能…

エッセイ

『宇宙は無限か有限か』松原隆彦 著光文社新書ISBN978-4-334-04445-9宇宙が無限か有限かについて考察した試論エッセイ。科学概説書ではなくエッセイなので、エッセイで良ければ、という本。エッセイなので読みやすいが、内容的に重厚感はない。あとは、そう…

領導

『中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係』益尾知佐子 著中公新書ISBN978-4-12-102568-5国内的な社会関係から中国の外交が導かれていると解説した本。中国に宥和的でよく分からない議論をしている部分もあるが、そうしたもので良ければ、ひとつの行動原理…

一応評伝といえば評伝だが

『新説 坂本龍馬』町田明広 著集英社インターナショナル新書ISBN978-4-7976-8045-4薩摩藩関係者として坂本龍馬を描いた本。あまりまとまってもいないし、丁寧でもなく、悪く言えば書きたいことを書き散らしたという本だが、そういうものだと割り切れれば、そ…

それなり

『Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた男』佐々木健一 著文春文庫ISBN978-4-16-791392-2竜巻の大きさを分類するFスケールを開発し、ダウンバーストを発見した藤田哲也の業績を紹介した本。一般的な評伝でもないし科学的に詳しく説明してあるのでも…

強い主張をした本

『統計分析を知れば世界が分かる 身長・体重から格差問題まで』松下貢 著中公新書ISBN978-4-12-102564-7複雑な事象についての統計は対数正規分布になるはずであり、そうなっていない場合にはそれを矯正すべきである、と主張した本。論理的には無理筋の強い主…

表面的なリポート

『インドが変える世界地図 モディの衝撃』広瀬公巳 著文春新書ISBN978-4-16-661237-6インドについての現状報告。あまり深くはない、現政権に好意的な報告だが、現状のインドに関して知る最初のとっかかりとしてならこれもあり、という本か。それで良ければ、…

好事家向け

『数の概念』高木貞治 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-517067-0整数、有理数、実数の公理系を組み立てようとした本。読み物とまではいかない一般向け数学本で、それで良ければ、という本か。公理から論理で定理を組み立てていくさまは、鋭くはある。た…

読みやすい入門

『教養としてのヤクザ』溝口敦・鈴木智彦 著小学館新書ISBN978-4-09-825356-2ヤクザを取材してきた著者らがヤクザについて対談形式で語った本。対談形式なのでさらっと読めて、入門としては悪くない本か。興味があるならば読んでみても、というもの。その分…

雑学読み物

『行動経済学の使い方』大竹文雄 著岩波新書ISBN978-4-00-431795-1行動経済学の知見を利用した政策をあれこれ紹介したもの。あれこれ紹介しただけで、テーマやまとまりはなく、雑多な感じの雑学読本っぽい読み物。それで良ければ、という本か。雑学読み物で…

でっていう

『善意という暴力』堀内進之介 著幻冬舎新書ISBN978-4-344-98572-8現代社会を批判してみました、という本。論理構成がどうなっているかは、私にはまったく読み取れなかった。ペダンチックにあれこれ小難しいことを言ってみました、という以上のものがあるか…

珍しめの従軍記

『陸軍軽爆隊 整備兵戦記 飛行第七十五戦隊インドネシアの戦い』辻田新 著光人社NF文庫ISBN978-4-7698-3134-1太平洋戦争に従軍した著者の体験記。整備兵の上に実弾は訓練でしか撃ったことがないということで、戦記ではない。体験記。陸軍の体罰を肯定的に…

好事家向け

『江戸の終活 遺言から見る庶民の日本史』夏目琢史 著光文社新書ISBN978-4-334-04433-6江戸時代に書かれた大名・武士ではない人の遺書をいくつか紹介した本。基本的にただの紹介なので、それで面白いと思える人向き。それで良ければ、という本か。江戸時代の…

SF者向け

『月はすごい 資源・開発・移住』佐伯和人 著中公新書ISBN978-4-12-102560-9月に関して知られていることや月面探査の現状についてのまとめ。ひととおりあれこれ書かれていて、まとめとしてはこんなもの、という本か。それで良ければというもの。簡略なまとめ…

入門の入門

『高次元空間を見る方法 次元が増えるとどんな不思議が起こるのか』小笠英志 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-517283-4位相幾何の入門的に、高次元空間における結び目のありようを直観させようとした本。分かるかどうかはともかく、読者に直感してもらお…

入門

『ネットで勝つ情報リテラシー あの人はなぜ騙されないのか』小木曽健 著ちくま新書ISBN978-4-480-07254-2情報リテラシーに関する入門読み物。特別な内容があるのでもない入門読み物で、そうしたもので良ければ、という本か。入門としては、こんなものではあ…

通史

『奴隷船の世界史』布留川正博 著岩波新書ISBN978-4-00-431789-0アフリカから南北アメリカに運ばれた奴隷貿易についてのまとめ的な通史。割とざっくりとした通史で、通史で良ければ、という本か。ただし、通史なので穏便でねちっこさはないが、こういう本を…

入門といえば入門だが

『虚数はなぜ人を惑わせるのか』竹内薫 著朝日新書ISBN978-4-02-295028-4虚数について書かれた入門読み物。難しいということはないがあまり内容もない読み物で、あくまで入門書で良ければ、という本か。入門としてはこれでありかもしれない。虚数に入門が必…

教本

『数学にとって証明とはなにか ピタゴラスの定理からイプシロン・デルタ論法まで』瀬山士郎 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-516852-3証明について書かれた数学教本。雑学ガイドではなく、やや堅苦しい教本と考えたほうがいいと思う。それで良ければ、と…

テーマがややうざい

『我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの』藤崎慎吾 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-516778-6人工生命を創ることによって生命を研究しようという合成物理学を通じて生命を探ろうとした本。様々な合成生物学を紹介したもの、でもある…

分析はできていない感じ

『日英インテリジェンス戦史 チャーチルと太平洋戦争』小谷賢 著ハヤカワ文庫NFISBN978-4-15-050544-8太平洋戦争勃発直前の時期にイギリスがどのような日本の情報を得て、どのように動いたかを紹介した本。全体としてイギリスの対外折衝史という以上のもの…