2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『哲学思考トレーニング』

伊勢田哲治 著 ちくま新書 ISBN4-480-06245-9 クリティカルシンキングについて書かれた読み物的な本。 私はクリティカルシンキングの本は余り読んだことがないが、個人的な評価をいえば、普通にまとまってはいるが、それ程の面白みはない、という本か。 良く…

『八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学』

佐藤卓己 著 ちくま新書 ISBN4-480-06244-0 8月15日という終戦記念日をメディアがどのように扱ってきたか、が書かれた本。 内容的、形式的には、新聞、ラジオ、歴史教科書というメディアが、終戦記念日をどのように扱ってきたか、ということが主として考…

『「戦艦大和」と戦後』

吉田満 著 保阪正康 編 ちくま学芸文庫 ISBN4-480-08927-6 「戦艦大和ノ最期」と、著者が太平洋戦争に従軍したことに関して書かれたエッセイを集めた本。 極言すれば、というか事実上、「戦艦大和ノ最期」と、その膨大な後書き、と考えれば、分かりやすい本…

朝日新聞も、このまま知らぬ振りをしておけば忘れてくれただろうに、何でわざわざNHKの問題を蒸し返すのだろう。 隠し玉があるのだろうか。

『銀河にひそむモンスター』

福江純 著 光文社知恵の森文庫 ISBN4-334-78370-8 銀河中心核にあるブラックホールに関連していくつかのことが書かれた科学エッセイ。 一応の流れとしては、活動銀河の研究を通してその活動の原因としてのブラックホールと降着円盤が解明されていく様を描い…

今週に入ってから、ネクタイが首を絞めるのがえらく気になるようになってしまった。 梅雨が明けて暑くなったからとか、少し太ったかもということもあるかもしれないが、その原因をつらつらと考えるに、私にストレスを与えていた案件が今月の頭に終了して、そ…

日本の公安警察に関する若干の考察

推論1:日本の公安は、伝統的に、共産党を含む左翼と右翼活動家とをそのターゲットにしてきたとされる訳で、イスラム過激派への浸透は弱い、と見るのが妥当ではないだろうか。(あるとすれば、日本赤軍→パレスチナゲリラ→イスラム過激派、という関係だが、…

発泡酒の税率上げ

に対しては、ビール業界の努力を無にするものだ、という反対意見が必ず出るが、別にそんなに努力してないじゃん、ということか。

『脱税 元国税調査官は見た』

大村大次郎 著 祥伝社新書 ISBN4-396-11016-2 脱税に関していくつかのことが書かれた概説書風の本。 全体的に、特別ではないが悪くもないという標準クラスの本で、脱税に関して一通りのことが知りたいというような人なら、読んでみても、という本か。 ただし…

『博物館の誕生 町田久成と東京帝室博物館』

関秀夫 著 岩波新書 ISBN4-00-430953-0 現在の東京国立博物館の明治期の足跡を、その創立者である町田久成を中心に追った本。 全体的に、特にどうということもない歴史読み物で、悪くもないが良くもないという、標準ちょい下辺りのありがちな新書読み物。 割…

お前ら働けよお

輸入増加と失業率の増加とは、ニワトリと卵みたいな関係なのだろう。 景気が悪い時には、輸入が増えたから失業者が増えるのだ、という主張が大抵なされるものだが、輸入が増えたから失業者が増える、という論理とは逆に、失業者が増えたから輸入が増える、と…

ここのところブッシュ政権の評判が落ちてきているような感じがするが、二期目だからどうせ次はないし、結構どうでも良いことなのではないだろうか。

『観光都市 江戸の誕生』

安藤優一郎 著 新潮新書 ISBN4-10-610122-X 観光都市という観点から江戸を描いた読み物。 大体のところは、ありがちな江戸読み物の一つ、と考えてほぼ間違いはない本か。 私としては結構面白かったので、江戸読み物の中では上位に入れて良い本だと思うが、別…

レトリックがレトッリクになっていた。 韓国の大統領が、イスンシンは20数回戦ってすべて勝った、とかいう凄いことを言ったとか言わなかったとかみたいだが、韓国の歴史認識はそんなもんなんだろうか。負けた戦いには参加しなかったことになっているのかもし…

走れ赤い稲妻

ちょっと急いでいたので、走れスタスキー刑事、とか頭の中に響かせたら、何故か、このナレーションは小林克也に違いない、とか思ってしまった。 ぐぐってみたが、かすりもしねえでやんの。

『がんというミステリー』

宮田親平 著 文春新書 ISBN4-16-660447-3 ガン研究史についての連作コラム。 一応、一通りまとまってはいるが、元々は月刊誌の連載ということで、全体が20もの断章から成っており、その分、個々の内容は浅いような気がする本。記述的にも、誰々が何々を発…

『終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ』

木村元彦 著 集英社新書 ISBN4-08-720297-6 コソボ紛争後のセルビア・モンテネグロの近況をいくつか描いた本。 タイプ的には、俺様は弱い者の味方だぜ、という感じのありがちなルポルタージュ、と考えて大体大過のない本か。私はそういうのが大嫌いなので、…

造反議員が37人も出ると、厳しい処分を行う訳にはいかないだろう。 つまり、赤信号 みんなで渡れば こわくない、ということが証明された訳だ。 民主主義は、日本的システムに案外馴染むものなのかもしれない。 否、集団無責任体制こそが日本的民主主義だ、…

『グロテスクな教養』

高田里恵子 著 ちくま新書 ISBN4-480-06239-4 教養はミドルクラスの上昇志向と結び付いたものである、というようなことが書かれた教養論。 (ただし、教養をロワーミドルの上昇志向とみるのか、アッパーミドルのエリートのものとするのか、本書の議論はやや…

『宗教は国家を超えられるか 近代日本の検証』

阿満利麿 著 ちくま学芸文庫 ISBN4-480-08919-5 近代日本批判の本。 一言でいえば、ファンが読むようなタイプの本、という感じのものか。全体的に、やや漫然とした試論集、といった感じで、中心的なテーマがはっきりとあるのでも、きっちりと論じられている…