2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ちなみに、

『黒い看護婦』も『極悪警部』も、主犯人は自己の欲望をコントロールできなくなって犯罪に堕ちていく、という構図になっているが、それは、犯罪がそういうものだからなのか、著者達がそういう視点から犯罪を選び、語っているからなのか、それとも、読み手側…

『極悪警部 金・女・シャブと警察の闇』

織川隆 著 だいわ文庫 ISBN978-4-479-30108-0 北海道警の警部が起こした事件について書かれた本。 ノンフィクションとしてはやや心許ない感もあるが、読み物としてはそう悪くはない本か。積極的に薦めるのではないが、興味があるならば読んでみても、という…

『黒い看護婦 福岡四人組保険金連続殺人』

森功 著 新潮文庫 ISBN978-4-10-132051-9 福岡県で起きた連続保険金殺人事件について書かれた本。 ノンフィクションとしては物語性が強く、そんなに特別だとは思わないが、それなりといえばそれなりのノンフィクションか。事件そのものはどろどろとしていて…

民主国家における税金

のあり方を示すスローガンとしては、代表なくして課税なし、というのがある訳だが、ふるさと納税、というのは、このスローガンに照らして、どうなのだろう。 住んでいない地方自治体に税金を納めても、選挙権がないのだから、その使い道を納税者が自らコント…

『相対論がもたらした時空の奇妙な幾何学 アインシュタインと膨張する宇宙』

アミール・D・アクゼル 著 林一 訳 ハヤカワ文庫NF ISBN978-4-15-050321-5 アインシュタインの宇宙定数に関して書かれた読み物。 主として、アインシュタインが一般相対性理論を確立し、そこに宇宙定数を付け加えるまでの話と、現代の宇宙論において宇宙…

『国連の政治力学 日本はどこにいるのか』

北岡伸一 著 中公新書 ISBN978-4-12-101899-1 国連次席大使だった著者が国連外交に関して書いたものを集めたコラム集。 基本的に、国連次席大使があちこちの雑誌等に掲載したコラムを一冊にまとめたもの、と考えておけば良い本で、当然重複もあるし、内容的…

『宇宙物理学入門 宇宙の誕生と進化の謎を解き明かす』

桜井邦朋 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257480-8 宇宙物理学に関して書かれたコンパクトな概説書。 コンパクトな概説なので、分かりやすい訳でも内容が広くあるいは深い訳でもないが、そうしたものだといえばそうしたものか。 分かりやすい訳でも、…

政府の過保護

を求める心情というのは、ゼロリスクを求める心情と関係がありそうだ。 ことが起こってからそれを罰するというのでは、ことが起こっている以上リスクがゼロではない訳で、リスクをゼロにするために、政府による事前の規制が必要とされるのではないだろうか。

『黒人差別とアメリカ公民権運動 名もなき人々の戦いの記録』

ジェームス・M・バーダマン 著 水谷八也 訳 集英社新書 ISBN978-4-08-720392-9 アメリカ公民権運動の歴史について書かれた本。 概説というよりは公民権運動におけるいくつかの重大事件を素描した本で、悪くいえばそれぞれの事件を点々と追っているだけなの…

『ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る』

梅森直之 編著 光文社新書 ISBN978-4-334-03401-6 ベネディクト・アンダーソンの考えについていくつかのことが書かれた本。 アンダーソンが日本で行った講義に、それに関する編著者の解説的な感想を付け加えたもので、全体的には、エッセイ集、みたいな感じ…

そうではないという理由が、よく分からない。

最後は役所批判になっているのがアレだが、総じて高齢者の介護は世間的なニーズはあるけどそもそも社会に付加価値を与える仕事では本質的にない、だから国が制度として高齢者福祉のあり方を考えて決めましょう、しかし国庫負担を考えて年寄りに金撒くのは競…

『封印作品の謎 ウルトラセブンからブラック・ジャックまで』

安藤健二 著 だいわ文庫 ISBN978-4-479-30099-1 五つの封印作品について、その封印の事情を探ったルポ。 一冊を通してのテーマは特になく、大体のところ、封印作品に関するそれぞれ別のルポを集めたアンソロジー、といった本か。読み物としては、雑誌に掲載…

主知主義、

というのは、現代においては、物事には原因がある、という態度とイコールではないだろうか。 つまり、物事には原因がある、という考えは主知主義的であり、主知主義的な人とは、物事には原因がある、と考える人である、ような気がする。

『実録・アメリカ超能力部隊』

ジョン・ロンスン 著 村上和久 訳 文春文庫 ISBN978-4-16-765163-3 アメリカ政府における超能力使用の実態に取材したルポ。 内容的には、それ程驚愕の、という話でもないが、読み物としてはそれなりのルポで、暇潰しにはなるだろうから、興味があるならば読…

『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』

武居俊樹 著 文春文庫 ISBN978-4-16-771731-5 編集者が赤塚不二夫の思い出を綴った伝記風読み物。 内容的には、担当の編集者が担当漫画家の思い出を書いた、という以上のものはないが、すっきりと綺麗にまとまっていて、良くできた本ではないかと思う。 いろ…

自衛隊が

市民団体等の情報を集めていた、という話は、やはり商売敵たる公安のリークなのだろうか、ということをちょっと考えたが、あんまりこういう陰謀論は出回ってないみたいだ。おかしい。公安大好きな人は自衛隊の擁護に必死で、公安大嫌いな人は自衛隊叩きに必…

『ゼロからわかる民法』

川田昇 著 平凡社新書 ISBN978-4-582-85376-6 民法についての入門書。 民法の基となっている考え方を中心に、民法(財産法)の概略を述べた入門書で、やや文章がこなれておらず、読み難いような気はするものの、民法の考え方を記していこうという視点がはっ…

パクったね。親父にもパクられたことないのに。

ということで、私がどこかのブログをパクった時に取る対策のための覚え書き。 (↑パクる気まんまん) 一.あくまで不注意による事故だと弁明し、悪意を持った盗用だとは絶対に認めない。 文章が似過ぎていたり、ネタがかぶり過ぎていれば、偶然だと言い逃れ…

『倫理問題101問』

マーティン・コーエン 著 榑沼範久 訳 ちくま学芸文庫 ISBN978-4-480-09059-1 様々な倫理問題に関して書かれた本。 倫理に関するいろいろな断片を適当にちぎって鍋に放り込んだだけの代物で、余りにもまとまりがなく、ラプソディックで分かり難いものなので…

『サルになれなかった僕たち なぜ外資系金融機関は高給取りなのか』

ジョン・ロルフ/ピーター・トゥルーブ 著 三川基好 訳 主婦の友社 ISBN978-4-07-256350-2 投資銀行を辞めた人が自らの経験について語った本。 辞めた、という訳だから、投資銀行での仕事について批判的、露悪的に語ったもので、少々クセのある本なので合わ…