数学雑学

『読み出したら止まらない! 文系もハマる数学』横山明日希 著青春新書PLAYBOOKSISBN978-4-413-21170-3数学雑学読本。そんなにたいした内容じゃないが、その分読みやすいかもしれない数学雑学読本で、それで良ければ、という本か。読み捨てコンビニ…

催眠術入門

『はじめての催眠術』漆原正貴 著講談社現代新書ISBN978-4-06-520892-2催眠術についての入門書。催眠術そのものについての概説から実際のかけ方まで、一通りまとまっていて、個人的には興味深く読むことができた。興味があるなら読んでみても良い本ではない…

研究本

『戦国の忍び』平山優 著角川新書ISBN978-4-04-082359-1戦国時代の忍びについて書かれた本。忍びの実態を紹介した、というよりは、忍びが出てくる史料をあれこれ渉猟した、という感じの本で、そうしたもので良ければ、という本か。よく新書で出したなという…

研究の紹介

『性格とは何か より良く生きるための心理学』小塩真司 著中公新書ISBN978-4-12-102603-3性格に関する心理学研究の紹介。概論とか入門とかではなくて、心理学においてこういう研究がありましたよという紹介。別にいい本だとは思わないが、それで良ければ、と…

やや頭でっかちか

『性からよむ江戸時代 生活の現場から』沢山美果子 著岩波新書ISBN978-4-00-431844-6江戸時代の庶民の性生活が分かる史料をいくつか読み解こうとした本。あまり統一的なテーマはなく、やや雑多だが、あれこれ史料を読んだもので良ければ、という本か。庶民層…

上級者向き数学エッセイ

『美しい数学入門』伊藤由佳理 著岩波新書ISBN978-4-00-431842-2数学エッセイ。数学エッセイとして書かれたものでは多分ないと思うが、数学エッセイとして読める人でないと楽しめないだろうという意味において。そうしたもので良ければ、という本か。群論や…

伝記

『カエサル 内戦の時代を駆けぬけた政治家』小池和子 著岩波新書ISBN978-4-00-431841-5カエサルの伝記。特にこれといったことはない普通の伝記だが、それで良ければ、という本か。良くも悪くも、ただの普通の伝記。もう少し、新しい見方とか、学説が変わった…

難しい割りにたいしたことは書かれていない

『ゲノム編集とはなにか 「DNAのハサミ」クリスパーで生命科学はどう変わるのか』山本卓 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-519469-0クリスパー・キャス9に関してあれこれと書かれた本。基本的にはやや難しめで、おまけにはまだはっきりとした成果があ…

微積分入門

『今日から使える微積分 普及版 基礎から大学数学の入り口まで』大村平 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-520067-4微積分についての入門書。特に取り立てていうことはない入門書で、入門書で良ければ、という本か。微積分の考え方については割とあっさり…

テーマはない

『清須会議 秀吉天下取りのスイッチはいつ入ったのか?』渡邊大門 著朝日新書ISBN978-4-02-295076-5本能寺の変から太政大臣就任のころまで、秀吉の天下取りの足跡をたどった本。あまりテーマや結論といったものはなく、足跡を順次に追った本で、清須会議もそ…

本格的に勉強したい人向けの入門書

『アスリートの科学 能力を極限まで引き出す秘密』久木留毅 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-519444-7スポーツ科学について総花的に紹介した本。総花的に過ぎて、どういう組織があって、どういう研究をしている、という紹介が主で、スポーツ科学の内実に…

無自覚マルクス主義

『アフリカ経済の真実 資源開発と紛争の論理』吉田敦 著ちくま新書ISBN978-4-480-07319-8アフリカ経済の暗部を紹介した本。まともに機能する政府なら権力者が特権階級になっておいしい思いをしようとするし、まともに機能しない政府なら反政府勢力が好き勝手…

研究者エッセイ

『アリ語で寝言を言いました』村上貴弘 著扶桑社新書ISBN978-4-594-08546-9アリの研究者が研究中の体験などに触れた研究者エッセイ。面白いアリの生態が紹介されたというよりは研究者エッセイで、そうしたもので良ければ、という本か。アリの生態とか研究内…

自己啓発ムーブ

『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』樋口耕太郎 著光文社新書ISBN978-4-334-04479-4沖縄が貧しいのは経済的自由がないからだ、自由がないのは人々に自尊心がないからだ、自尊心を与えるためにはもっと愛が必要だ、と主張した本。こうしてまとめると、…

入門書としてなら

『宇宙の始まりに何が起きたのか ビッグバンの残光「宇宙マイクロ波背景放射」』杉山直 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-520493-1宇宙マイクロ波背景放射についての入門書。特にということはないがそれなりの入門書で、興味があるなら読んでみても、とい…

量子力学を分かるものとして捉えようとした試み

『量子とはなんだろう 宇宙を支配する究極のしくみ』松浦壮 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-520000-1量子を理解できるものとして分からせようとした中級向け入門書。これまで、量子は人間の常識に沿わないものとして説明されることが多かったが、それが…

好事家向きの雑多な本

『戦国大名の経済学』川戸貴史 著講談社現代新書ISBN978-4-06-520015-5戦国大名の経済的な側面についてあれこれ書かれた本。これといった主題や統一的なものはなく、戦国時代の大名経済に関してただあれこれと書かれたもの。そうしたもので良ければ、という…

ちょっと雑な概論

『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の原因』山田昌弘 著光文社新書ISBN978-4-334-04468-8日本の少子化対策が何故失敗したかについて書かれた本。要するに、ヨーロッパでの成功モデルをそのまま持ってきただけなので条件が異…

初学者向き

『あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン』住吉雅美 著講談社現代新書ISBN978-4-06-519377-8法哲学についての紹介的な読み物。まったくの初学者なら楽しく読めるのだろうなあという気はする読み物で、そうしたもので良ければ、という本か。その分、深み…

アメリカ的な、あまりにアメリカ的な

『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニカル 著/泉恵理子 訳日経ビジネス人文庫ISBN978-4-532-19971-5積極的で楽観的な自己啓発本。あまりにアメリカ的でプログレッシブでアレグレッシブなので辟易するが、それ…

ブラック企業への道は善意で舗装されている

『任せる技術』小倉広 著日経ビジネス人文庫ISBN978-4-532-19967-8部下に仕事をまかせるためのリーダーシップについて説いたビジネス本。そんなにうまくいくわきゃあねえだろ、というご都合主義小説みたいな本で、ブラック上司はこうしてできあがるのだろう…

それなりのまとめ

『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」』小山俊樹 著中公新書ISBN978-4-12-102587-6五・一五事件について書かれた本。事件そのものの推移の他、決起に至るまでの海軍青年将校たちの動向、事件後に政党内閣が組閣されなかったことの経緯、犯人の減刑…

特別の何かがあるわけではない

『タコの知性 その感覚と思考』池田譲 著朝日新書ISBN978-4-02-295066-6タコの知性に関して書かれた本。概論というよりは読み物っぽいエッセイといった感じの本で、それで良ければ、というものか。特別ではないがそれなりの読み物。無脊椎動物の中ではタコが…

AはBである。Cだ。

『昭和史の本質 良心と偽善のあいだ』保阪正康 著新潮新書ISBN978-4-10-610857-0文学者の言葉をネタに著者が好き勝手書いたエッセイ。私には本書の論旨展開とか論理構造というものがまったく理解できなかった。著者に好意的に判断するなら、きっと、私の知ら…

概論

『地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場はなぜ逆転するのか』菅沼悠介 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-519243-6地質年代チバニアンと、その標準地層の、千葉に見られる地層などが示す地磁気逆転について書かれた本。詳細ではないがおおざっぱに大体の…

言い訳で良ければ

『トラックドライバーにも言わせて』橋本愛喜 著新潮新書ISBN978-4-10-610854-9トラックドライバーの事情を書いた本。一方的な言い訳ではあるが、それで良ければ、という本か。トラックドライバーにも言い分はあるだろうから、これはこれで、というものでは…

仮説紹介

『ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ』マーク・ チャンギージー著/柴田裕之 訳ハヤカワ文庫ISBN978-4-15-050555-4ヒトの視覚に関する著者の仮説を四つ書いた本。仮説を書いたものとしては、面白かった。そうしたもので良ければ、という本か。四…

技巧派

『向田邦子ベスト・エッセイ』向田邦子 著/向田和子 編ちくま文庫ISBN978-4-480-43659-7向田邦子のエッセイ選集。特になんということもない昭和の日常エッセイで、それで良ければという本か。若い人に分かりにくい面はあるかもしれない。個人的には、エッセ…

特に何かがあるわけではない

『毒々生物の奇妙な進化』クリスティー・ウィルコックス 著/垂水雄二 訳文春文庫ISBN978-4-16-791467-7毒を持った生物に関して書かれた読み物。良くいえば、現状の研究のまとめ、といえなくもないが、まだあまりよく分かっていないというのが妥当なところで…

面白くない、のがある意味面白い、かもしれない

『木戸幸一 内大臣の太平洋戦争』川田稔 著文春新書ISBN978-4-16-661253-6内大臣時代の木戸幸一の軌跡を追った本。誰かの孫というだけの凡庸な政治家がいかに失敗したかを描いたもので、基本的に面白くはない。その面白くないのを面白く読める人なら、という…