2017-01-01から1年間の記事一覧

『DNAの98%は謎 生命の鍵を握る「非コードDNA」とは何か』

小林武彦 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502034-0 DNAのうちのタンパク質をコードしていない領域について書かれた本。 現状の研究具合などをまとめたもので、特に目新しい内容はなかったが、そうしたものでよければ読んでみても、という本か。 知…

『新装版 海軍下駄ばき空戦記 同期の桜たちの生と死』

藤代護 著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-3035-1 著者の従軍記。 あまり特別なことはない従軍記だが、一兵士の従軍記としてはそれなりに著者の戦争体験が描かれてはいると思う。そうしたものでよければ読んでみても、という本か。 ただし、太平洋戦争ものの…

『人生が輝く選択力 意思決定入門』

印南一路 著 中公新書ラクレ ISBN978-4-12-150596-5 意思決定の方法などに関して書かれた本。 特にということはないが悪くもないビジネス書で、意思決定のすばらしい方法が説かれている、ということはないが、そんなすばらしい方法があるわけはないよなとい…

『「偶然」の統計学』

デイヴィッド・J・ハント 著/松井信彦 訳 ハヤカワ文庫NF ISBN978-4-15-050510-3 私たちが目にし、その背後に特別な何かがある、と考えるような偶然の一致は、実はそれほど偶然ではない、ということが書かれた本。 その統計学的な意味を説明したアンチオ…

『抗生物質と人間 マイクロバイオームの危機』

山本太郎 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431679-4 抗生物質に関して書かれたエッセイ。 主題としては、抗生物質によって人間に常在する細菌もおかしくなっている、と警告したもので、個人的には、圧倒的にエビデンスが足りない、とは思ったが、別にエビデンスが…

『佐藤文隆先生の量子論 干渉実験・量子もつれ・解釈問題』

佐藤文隆 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502032-6 量子論と素朴実在論との齟齬に関して書かれたノート。 メモ書き、とまではいわないが、あまりまとまりも筋書きも主張もない覚え書きで、そうしたものでよければ、という本か。 別にいい本ではないと…

『御社の商品が売れない本当の理由 「実践マーケティング」による解決』

鈴木隆 著 光文社新書 ISBN978-4-334-04308-7 マーケティングについての簡略なまとめ。 ビジネスマンの著者に相応しい実践志向のマーケティング本ではあり、それがどこまでユニークなのかはよく分からないが、マーケティングに関する簡略なまとめ、という捉…

『神は数学者か? 数学の不可思議な歴史』

マリオ・リヴィオ 著/千葉敏生 訳 ハヤカワ文庫NF ISBN978-4-15-050507-3 宇宙に数学的な実在があるかそれとも数学は人間による発明にすぎないかどうかに関して書かれた数学史読み物。 基本的に、あまりたいしたことはない、それなりの数学史読み物。それ…

『富裕層のバレない脱税 「タックスヘイブン」から「脱税支援業者」まで』

佐藤弘幸 著 NHK出版新書 ISBN978-4-14-088526-0 脱税に関して書かれた本。 特にということはないが、それなりの雑学本で、そうしたものでよければ、という本か。 誰にでも簡単にできて簡単にはバレない脱税の方法、なんていうのがそうそうあるはずもない…

『統計は暴走する』

佐々木彈 著 中公新書ラクレ ISBN978-4-12-150594-1 統計の誤った使い方をしている言説の例を挙げて、批判した本。 そうした批判本といえばそうしたものだが、政治的に左過ぎて個人的には合わなかった。 日本は人口で10位、面積で61位なのに世界8位の防衛支…

『競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるためには』

大竹文雄 著 中公新書 ISBN978-4-12-102447-3 経済学者が書いた雑多なコラム集。 特にどうということはなく、好きな人ならば、としかいいようがないような本か。 まとまりのない雑多なコラム集なので、特別に優れているということはないと思う。こういうのを…

『新装版 九九双軽空戦記 ある軽爆戦隊長の手記』

土井勤 著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-3025-2 太平洋戦争で軽爆撃機隊の戦隊長を務めた著者による戦記。 ポイントは、爆撃機隊というよりは、部下から特攻隊員を送り出した戦隊長というところにあり、特攻隊に志願されられた側の話はあっても志願させた…

『重力波で見える宇宙のはじまり 「時空のゆがみ」から宇宙進化を探る』

ピエール・ビネトリュイ 著/安東正樹 監訳 岡田好惠 訳 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502027-2 宇宙物理学について書かれた本。 一応は重力波の説明を目指したものだが、重力波に関して書かれたというよりは、そこにいたるまでの宇宙物理学の流れをま…

『睡眠の科学・改訂新版 なぜ眠るのか なぜ目覚めるのか』

櫻井武 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502026-5 睡眠の脳科学について書かれた本。 一通りのさらっとしたまとめで、悪くはないという本か。読みたければ読んでみても、というところ。 オレキシン作動性ニューロンは、覚醒中枢であるモノアミン/コリ…

『曲がった空間の幾何学 現代の科学を支える非ユークリッド幾何とは』

宮岡礼子 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502023-4 非ユークリッド幾何学について書かれた本。 ちょうどほかに読むものがなかったので、一応最後まで見た。読むのでも目を通すのでもなく、見た、という感じ。 内容は、私にはほとんど理解できなかった…

『ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのか』

シュロモー・サンド 著/高橋武智 監訳/佐々木康之・木村高子 訳 ちくま学芸文庫 ISBN978-4-480-09799-6 現在ユダヤ人とされる人々が、モーセに率いられたりダビデの王国の住民であったりした古代ユダヤ人の直系の子孫である、という神話に反駁し、その神話…

『諜報憲兵 満州首都憲兵隊防諜班の極秘捜査記録』

工藤胖 著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-3014-6 満州国の首都新京(長春)で関東軍憲兵隊の防諜班にいた著者が自らの活動を記した本。 大体のところ特にどうということはないエスピオナージノンフィクションだが、満州でも当然のようにこういうことが行わ…

『入門 公共政策学 社会問題を解決する「新しい知」』

秋吉貴雄 著 中公新書 ISBN978-4-12-102439-8 社会問題に対する政策がどのように策定され、実行されるかを描いた本。 よくいえば、公共政策学が学問としてどのように成り立っているか説明したものではあるが、事実上は、政策が決定され実行されるプロセスを…

『猫的感覚 動物行動学が教えるネコの心理』

ジョン・ブラッドショー 著/羽田詩津子 訳 ハヤカワ文庫NF ISBN978-4-15-050499-1 ネコ読本。 特にどうということはないネコ読本で、悪くはないが特筆すべきようなこともない。それでよければ、という本か。 悪くないというだけでも実際には大変なのかもし…

『すごい進化 「一見すると不合理」の謎を解く』

鈴木紀之 著 中公新書 ISBN978-4-12-102433-6 一見すると不合理な生き物の状況を適応進化から読み解いた昆虫動物行動学の読み物。 有性生殖には二倍の速度で増加できる無性生殖に勝るほどのメリットはないが、オスが無性生殖のメスとの子孫を残せるようにな…

『人はどのように鉄を作ってきたか 4000年の歴史と製鉄の原理』

永田和宏 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502017-3 主に、ヨーロッパと日本でどのように製鉄が行われてきたか、について書かれた本。 全体的に味気なく、分かりやすい説明でもないので読み物としては微妙だが、資料としてはひとつの資料という本か。…

『バッタを倒しにアフリカへ』

前野ウルド浩太郎 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03989-9 アフリカへバッタの研究に赴いた研究者が記した活動記録エッセイ。 研究エッセイではなく活動記録だが、エッセイなので合う人には合うだろうし、それでよければ、という本か。 面白くないとはいわない…

『人の心は読めるか? 本音と誤解の心理学』

ニコラス・エプリー 著/波多野理彩子 訳 ハヤカワ文庫NF ISBN978-4-15-050496-0 人の心を知ろうとすることに関する心理学読み物。 ありがちなそれなりの心理学読本で、それでよければ、という本か。 結論として、他人の心を知る一番よい方法は現状ではその…

『混浴と日本史』

下川耿史 著 ちくま文庫 ISBN978-4-480-43448-7 日本の混浴事情を探った歴史民俗学の本。 大和岩雄とか古くは中山太郎系の歴史民俗学の本で、それなりの本ではあるだろう。混浴の事情が知りたければ読んでみても、という本。 ただ、こういうのは圧倒的な博覧…

『謎の漢字 由来と変遷を調べてみれば』

笹原宏之 著 中公新書 ISBN978-4-12-102430-5 漢字に関して書かれた読み物。 ただ、三つの論からできているので、広く浅い一般向け漢字読本というよりは、やや狭くやや深くなった好事家向けの本か。 そうしたものでよければ、という本。 漢字読本なんだけど…

『生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像』

武村政春 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502010-4 巨大ウイルスの紹介と、その存在が語ることになった生命像について記述した本。 特別ではないが悪いということはなく、それなりの生物学読み物といえるのではないだろうか。興味があるならば読んで…

『ミクロ経済学入門の入門』

坂井豊貴 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431657-2 ミクロ経済学の入門書。 本当に入門の入門なので個人的には物足りなかったが、まったく知らないという人向けにはこういうのもありかもしれないから、入門でよければ、という本か。 後は、それでよければとしかい…

『仮想通貨で銀行が消える日』

真壁昭夫 著 祥伝社新書 ISBN978-4-396-11503-6 仮想通貨について書かれた本。 てえへんだてえへんだの、週刊誌記事に毛が生えた程度の雑学本だが、雑学本でよければこんなものか。読んでみたければ、という本。 週刊誌記事程度というか、読み捨てのコンビニ…

『天下人の父・織田信秀 信長は何を学び、受け継いだのか』

谷口克広 著 祥伝社新書 ISBN978-4-396-11501-2 織田信秀の事績を検討して、息子の織田信長に与えた影響について考察した本。 全体にイメージしやすいストレートな歴史読本で、戦国読み物が好きならば読んでみても、という本か。 タイトルやサブタイトルにピ…

『地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史』

唐戸俊一郎 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502008-1 水に関連して書かれた地球惑星科学の本。 要するに地球における水の起源や循環が描かれたもので、存外結構高度な書だが、地球の水に関してひととおりまとめられてはおり、そうしたものでよければ…