2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『ザ・フェミニズム』

上野千鶴子・小倉千加子 著 ちくま文庫 ISBN4-480-42149-1 上野千鶴子と小倉千加子の対談。 別に普通にありがちな対談という以上のものはなく、基本的にはファンが読んで楽しむような本だろう。入門的なものは期待できない。 そうしたもので良ければ、読んで…

しかし、ひとたび敗れた理論を再構築するというのは、非常に難しいことである

ということが分かった。 敗れた理論を再構築するには、非常に重い立証責任を伴うのだ。 実際問題として、ある理論が敗れる前は、立証責任が完全に理論の提唱者に求められている訳ではない。 極めて単純化していうと、ある理論が敗れる前は、その理論が失敗す…

『「資本」論 取引する身体/取引される身体』

稲葉振一郎 著 ちくま新書 ISBN4-480-06264-5 マルクス主義の再構築を目指したような感じの思弁的な社会思想論。 208ページまでは真面目に読んだ。それ以降は、殆どよく分からなかった。というよりも、分かろうとする気力が失せた、というところか。 好意的…

たとえ客観的に見て、どんなに実力不足で、勝てる可能性に乏しいとしても、出場する以上は、応援する方としては主観的に見て一縷の期待を持つものだろう。 単に応援するだけでもそうだろうし、ましてや活動資金を出しているとなれば、尚更である。 映画や漫…

『刀狩り 武器を封印した民衆』

藤木久志 著 岩波新書 ISBN4-00-430965-4 近世近代における日本人の武器保有について書かれた本。 内容的には、豊臣秀吉が行った刀狩りは、武士と百姓の身分差をはっきりさせることが目的で、民衆から武器を取り上げたものではなかった、日本人が武器を持た…

小沢一郎をまた民主党の幹部にしよう、というのは、よく分からない(断られたが)。 この前の選挙で民主党が大敗したのは郵政民営化法案を傍観したことに決定的な要因があるのは疑いのないところだが、普通に考えれば、何故郵政民営化法案を傍観したのかとい…

『戦国時代の終焉 「北条の夢」と秀吉の天下統一』

斎藤慎一 著 中公新書 ISBN4-12-101809-5 本能寺の変から小田原の陣直前までの北関東の政治史を語った本。 北条軍と反北条の佐竹・宇都宮等が対陣した沼尻の合戦を中心に、その前後の北関東の情勢を、豊臣秀吉や徳川家康の動きと絡めて描いた歴史読み物。タ…

『闘えない軍隊 肥大化する自衛隊の苦悶』

半田滋 著 講談社+α新書 ISBN4-06-272331-X 自衛隊の海外派遣を巡るドタバタ振りをいくつか描いた本。 それ程たいしたことが書かれているのでもないが、それなりの読み物といえば読み物という本か。改憲反対、という通奏低音が結構うざいので、私には余り好…

『犯罪は「この場所」で起こる』

小宮信夫 著 光文社新書 ISBN4-334-03319-9 犯罪社会学の入門的読み物。 主な内容としては、犯罪は、入りやすく、見られ難い場所で行われることが多いので、そのような場所を減らして犯罪の機会を少なくすることが重要だ、という話と、そうした考えに基づい…

『妖精のアイルランド 「取り替え子(チェンジリング)」の文学史』

下楠昌哉 著 平凡社新書 ISBN4-582-85286-6 アイルランド民話がアイルランド人文学者に与えた影響について書かれた本。 内容的には、アイルランドにおいて大英帝国からの独立、自治獲得を目指す民族主義的運動が盛んになっていた19世紀末から20世紀初頭…

『日本映画はアメリカでどう観られてきたか』 北野圭介 著 平凡社新書 ISBN4-582-85285-8 日本映画がアメリカでどのように紹介されたかを、日米関係の文脈の中で探った本。 私にはそれ程面白い本でもなかったが、特に悪いということでもないので、文化評論と…

『梶原一騎伝 夕やけを見ていた男』

斎藤貴男 著 文春文庫 ISBN4-16-744304-X 梶原一騎の評伝。 私には余り好きになれるタイプの本ではなかったが、全体的には普通の評伝だといえば普通の評伝なので、興味があるならば読んでみても、という本ではないだろうか。 薦めはしないが、特に悪いという…

『絵巻で読む中世』

五味文彦 著 ちくま学芸文庫 ISBN4-480-08933-0 院政時代の絵巻に関して書かれた読み物。 全体的に、好事家向けに書かれた別に普通にありそうな歴史読み物で、特別でもないがどこが悪いということもないので、面白いと思える人には、多分面白いのだろう。私…

挨拶

昼過ぎに出社した時の挨拶には、難しいものがある。 「おはようございます」という時間ではないし、「こんにちは」というのは、如何にも何か違うような感じがするのは、私だけだろうか。 「こんにちは」に何故違和感があるのか、と考えてみると、仕事は日が…

あるネタを思い付いたのだが、考えてみると、どうもそのネタはどこかで読んだことがあるような気がして、自分のオリジナルかどうか、自信がない。 どこかで読んだような気もするし、なかったような気もするし、単に自分が昔同じことを考えただけのような気も…