SF者向け

『月はすごい 資源・開発・移住』
佐伯和人 著
中公新書
ISBN978-4-12-102560-9
月に関して知られていることや月面探査の現状についてのまとめ。
ひととおりあれこれ書かれていて、まとめとしてはこんなもの、という本か。それで良ければというもの。
簡略なまとめなので、あまり入門用としては適さないと思う。
中級者向け。
著者によれば、中国や民間企業の参入によってこれから月探査は大きく進むだろうということで、その前に現状のまとめを知っておく手はあるかもしれない。
そうした用途向けのそれなりのまとめ。
それで良ければ読んでみても、という本だろう。
以下メモ
・月の表面はレゴリスという風化した細かい砂で覆われている。
当たった太陽光がレゴリスによって散乱するので、月は中心部だけでなく周囲も明るい。
小惑星にはレゴリスがないと考えられていて、小惑星の色の説明ができないでいたが、「はやぶさ」によって小惑星にもレゴリスがあることが発見された。
・白金、イリジウム、ニッケル、コバルトなどは鉄に溶けやすいので、地球では核に移動してしまって地殻に少ない。