サブタイトルどおり

『数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ』
松岡学 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-518745-6
自然数から実数、複素数、そして四元数へと拡張されてきた数の世界について説明した本。
そう深くはないし詳細でも簡単でもないが、とりあえずのことは書かれていて悪くない本か。興味があるならば読んでみても良い本だと思う。
複素数についてオイラーの公式を持ってくるのは趣味のような気がするし、そのためにテイラー展開をぶち込むのはどうかという気がするが、後で四元数の場合の一般化をしているので、そうではないのかもしれない。
いずれにしてもテイラー展開が予告なくぶち込まれる本ではあり、特に簡単ということはない。
数学書を読もうという人なら、格別難しくはない、という程度か。
そうしたもので良ければ、というもの。
興味があるならば読んでみても良い本だろう。
以下メモ
・変換f(x)=-a(_x)aは、ベクトルaの大きさが1であるときaに垂直な超平面に関する折り返しを行う。((_x)はxの共役を表す)
実数の場合、実数の共役はその数自身であり、大きさが1となるのはa=±1のときだから、
f(x)=-a(_x)a=-a^2x=-x
となり、原点に対して折り返した変換を示す。
複素数の場合、例えばa=i、x=b+ciとすると、
f(x)=-a(_x)a=-i(_x)i=-i^2(_x)=(_x)=b-ci
となって、虚軸に垂直なx軸に対して折り返した変換になる。
四元数の場合も、純虚四元数x=0+x1i+x2j+x3kを考えると、三次元座標(x1、x2、x3)の変換が行える。
四元数の共役は、(_x)=0-x1i-x2j-x3kなので、
f(x)=-a(_x)a=-a-xa=axa
となってさらにシンプルになる。(四元数は非可換)