通史

『奴隷船の世界史』
布留川正博 著
岩波新書
ISBN978-4-00-431789-0
アフリカから南北アメリカに運ばれた奴隷貿易についてのまとめ的な通史。
割とざっくりとした通史で、通史で良ければ、という本か。
ただし、通史なので穏便でねちっこさはないが、こういう本を読みたがる人はねちっこいドキュメンタリータッチのものが読みたいのでは、という気はしないでもない。
自らの体験として奴隷船の描写をした人について、彼がサウスカロライナの出身だという異説を紹介した後で、そうだとしても別のアフリカ人から聞いたのだから価値が減じられることはないと書いているのは、どうなんだろうと思うが。
全体としてはまとめ的な通史。
それで良ければ、という本だろう。
以下メモ
奴隷貿易が禁止された後、その監視や徹底を名目として帝国主義的進出が盛んになった。
・奴隷が禁止された後、その労働は解放された奴隷がそのまま担った他、移民が用いられた。