エッセイ

『宇宙は無限か有限か』
松原隆彦 著
光文社新書
ISBN978-4-334-04445-9
宇宙が無限か有限かについて考察した試論エッセイ。
科学概説書ではなくエッセイなので、エッセイで良ければ、という本。
エッセイなので読みやすいが、内容的に重厚感はない。
あとは、そうしたもので良ければ、これはこれで、というものだと思う。
それで良ければ、という本だろう。
以下メモ
・オルバースのパラドックスが成立して全天が明るくなるには、一京光年先くらいまでの星の光が必要である。
・宇宙の晴れ上がりの前にはバリオン音響振動というものがあり、その痕跡が分かれば、痕跡間の距離は理論から計算できる。
そしてその痕跡までの地球からの距離を測れば、三角法がどこまで正確か、宇宙の空間曲率が分かる。
・宇宙が無限であるとしたら、観測可能な宇宙にある全素粒子の取りうるパターンはたかだか十の百何十乗程度しかないので、ここと同じ宇宙がどこかに、無限に、ある。