2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『古事記の起源 新しい古代像をもとめて』

工藤隆 著 中公新書 ISBN4-12-101878-8 中国少数民族の事例を元に、無文字時代の神話のあり様を考え、そこから『古事記』を捉えようとした本。 専門性が高いため、かどうか、全体的にやや瑣末な部分が多いが、面白い箇所もあるので、それなりには楽しめる本…

ちなみに、

「○○が××をした(△△著『……』)が、」とか、「○○が××であった(△△著『……』)ように」とかいう括弧の付け方は、文脈の流れを容赦なくぶった切るので、余り良くないと感じた。「○○が××をしたが(△△著『……』)」「○○が××であったように(△△著『……』)」という風…

『「国語」の近代史 帝国日本と国語学者たち』

安田敏朗 著 中公新書 ISBN4-4-12-101875-3 国民国家に必要な「国語」を作ろうとしたことを批判する観点から、国語学史の流れを素描した本。 私には著者が何をいいたかったのかどうも余りはっきりとせず、全体的には、なんだかよく分からない本であった。 国…

本屋で和田某先生の本のタイトルを見て思った勝ち組と負け組の分かりやすい定義。

勝ち組負け組と世間を煽り立てて金を稼いだ奴が勝ち組。 それに煽られて勝ち組負け組と騒いでいる奴が負け組。 これで俺も負け組の仲間入りだぜ。

『「退化」の進化学 ヒトにのこる進化の足跡』

犬塚則久 著 講談社ブルーバックス ISBN4-06-257537-X 退化器官や痕跡器官等の、人体にある進化の痕跡について書かれた本。 だだだーっと詰め込まれた概説的構成や、細かな解剖学的事項の記述が多いことから、余り読みやすい本ではないと思うが、内容的には…

『「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート』

コリン・ジョイス 著 谷岡健彦 訳 NHK出版生活人新書 ISBN4-14-088203-4 外国人記者が日本について書いたエッセイ。 大体のところ、ありがちな、ガイジンによる日本印象記、と考えて間違いはない。 特に批判している訳でもない普通のエッセイで、その分、…

プロ野球の凋落もここに極まれり。

一月前半のスポーツニュースの話題といえば、例年、プロ野球選手の自主トレだったが、今年は自主トレの話題の殆どを日本人大リーガーにさらわれ、とどめに、まだプロにすらなっていない大学進学の高校生投手にまで持っていかれたらしい。

『人はなぜ簡単に騙されるのか』

ゆうきとも 著 新潮新書 ISBN4-10-610196-3 騙しのプロである手品師が騙しについて書いたエッセイ。 部分部分には面白い箇所もあるが、第三章とか第四章とか全体として何が言いたかったのか訳が分からないところもあって、一冊としては結構微妙な出来のエッ…

『宝石の裏側』

内藤幹弘 著 新潮新書 ISBN4-10-610195-5 オリジナルジュエリーの製作・販売をしている人が書いたエッセイ。 宝石業界の裏側を描いたものではなく、一言でいって、手前味噌、といった感じの本で、つまるところ、ジュエリーは、業者の大量販売品でなく、あな…

『仕事師たちの平成裏起業』

溝口敦 著 小学館文庫 ISBN4-09-408136-4 様々な裏ビジネスについての雑学読み物。 (裏といっても、占いやペット用葬送業者のように、完全に合法のものもある) 雑誌の連載をまとめたもの、ということで、多分、一つの業種につき一号分なのだろうから、全体…

『信玄の戦略 組織、合戦、領国経営』

柴辻俊六 著 中公新書 ISBN4-12-101872-9 武田信玄の領国経営と領国拡張について書かれた本。 家臣の職制とか版図拡大の過程とかの結構細かいことが、こまごまと概説的に書かれた本で、私には取り立てて面白いものでもなかったが、そういうこまごまとしたこ…

助手や共同執筆者の不正

が明らかになった場合、科学者は決まって、そこまでの管理はできない、と責任逃れをするが、助手や共同執筆者の素晴らしい実験成果が出た場合に、その利益を(しばしば最も)得るのも、その科学者である。 一般的にいって、成功した場合の利益を享受するなら…

『背信の科学者たち 論文捏造、データ改ざんはなぜ繰り返されるのか』

ウイリアム・ブロード/ニコラス・ウェイド 著 牧野賢治 訳 講談社ブルーバックス ISBN4-06-257535-3 様々なミスコンダクトの事例を通して、それが、(現代)科学にとってイレギュラーではない、当然起こり得る事態であることを論じた本。 テーマ的に、やや…