2015-01-01から1年間の記事一覧

『ローカル志向の時代』

(松永桂子 著・光文社新書)を40ページまでで断念。 私がダメなタイプの本だ。 踊らされている感というか地に足がついていない感というか。 地方創生で儲かるのは地方創生ビジネスらしい。 タイトルだけ気にしておけばいい、以上の意味はないか。

『軍医戦記 生と死のニューギニア戦』

柳沢玄一郎 著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-2919-5 第二次世界大戦のニューギニア戦線で戦った軍医による戦記。 兵たちはつらいまま死んでいった、と書かれるだけであまり臨場感というものがなく、現場を経験してきた人の体験記としては、やや不満が残る…

『ガリレオ裁判 400年後の真実』

田中一郎 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431569-8 ガリレオが受けた宗教裁判の過程を追った本。 結論的には、ガリレオは当時としては普通に普通の宗教裁判を受けた、というところだが、やや護教的で、ある種歴史修正主義っぽい。 裁判の細かいところだけに目がい…

『宇宙背景放射 「ビッグバン以前」の痕跡を探る』

羽澄昌史 著 集英社新書 ISBN978-4-08-720807-8 著者が観測しようとしている宇宙背景放射の中のBモード偏光について書かれた本。 著者が自らの研究について紹介した読み物で、読み物としては悪くない本か。 解説書というよりは読み物なので、細かいところを…

『成長なき時代のナショナリズム』

萱野稔人 著 角川新書 ISBN978-4-04-082047-7 著者による政治コラム集。 テーマ的な統一感はあるが、いろいろなものの寄せ集めで、ぶつ切り感はひどいし、寄せ集めただけであまり踏み込んだ論にもなっていないので、著者のファンが買うような本、というのを…

『ゲッベルスとナチ宣伝戦 一般市民を扇動する恐るべき野望』

広田厚司 著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-2910-2 ゲッベルスについて書かれた本。 特にどうということもない通俗的な紹介本で、それでよければ、というものだろうか。 個人的には、通俗紹介本であることは分かっていたものの本当にどうということもなかっ…

『米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 帝国陸軍戦法マニュアルのすべて』

一ノ瀬俊也 著 文春文庫 ISBN978-4-16-790474-6 戦闘マニュアルから帝国陸軍の戦い方を探った本。 夜襲、囮、狙撃、地雷や仕掛け爆弾の使用など、帝国陸軍における対米軍戦闘は弱者の戦い方であり、日中戦争において中国軍が日本軍に対して行った戦闘から拝…

『スクールカーストの正体 キレイゴト抜きのいじめ対応』

堀裕嗣 著 小学館新書 ISBN978-4-09-825250-3 スクールカーストという観点から、いじめへの対応を考えた本。 主題的には、あくまでいじめ対応を考えることがメインなので、いじめ対応が書かれたものでよければ、という本か。 やや図式ではあるが。 図式的と…

『介護ビジネスの罠』

長岡美代 著 講談社現代新書 ISBN978-4-06-288334-4 いくつかの悪徳介護ビジネスを紹介した本。 網羅的でも定量的でもないので、おおよそただの紹介本と考えるべき書だが、悪徳介護のありようを紹介したものではあるだろうから、それでよければ、という本か…

『「P≠NP」問題 現代数学の超難問』

野恕W昭弘 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257933-9 P≠NPについて書かれた本。 よく分からないが、個人的には全体としてちぐはぐな印象を受けた。こんなものなのかもしれないが、薦めるには二の足を踏む。 大雑把にいうと、前半は計算量の話、後半…

『人間・始皇帝』

鶴間和幸 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431563-6 始皇帝に関して書かれた本。 基本的には、近年になってから出土した資史料によって「史記」の記述に齟齬が出てきた点をまとめたもので、そうしたものでよければ、という本か。 主題的には、伝記ではなく「史記」…

『残念なメダリスト チャンピオンに学ぶ人生勝利学・失敗学』

山口香 著 中公新書ラクレ ISBN978-4-12-150539-2 アスリートの引退後に関して書かれたエッセイ。 私としてはとても面白かったが、基本的には、何かについて書かれた本というのではなく、山口香のエッセイが読みたければ、という本か。それでよければ面白い…

『キャリア官僚 人事・採用のからくり 激変する出世レース』

岸宣仁 著 中公新書ラクレ ISBN978-4-150536-1 上級国家公務員の採用や出世格差の実際を紹介した本。 批判的ではあるが、通俗的であり、特に、というほどの本ではないと思う。紹介としては一つの紹介だろうから、それでもよければ、というところか。 近年の…

『心臓の力 休めない臓器はなぜ「それ」を宿したのか』

柿沼由彦 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257929-2 心筋細胞がアセチルコリンを生産することに関していろいろと書かれた本。 心臓がアセチルコリンを生産することを発見したのが著者だということで、著者の研究に関して書かれた本ではあり、そうした…

『リーマン予想とはなにか すべての素数を表す式は可能か』

中村亨 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257828-8 リーマン予想に関して書かれた本。 私としては基本的に、よく分からないということが分かった。 それでもよければ、という本か。 分からないことが分かるだけでも意味はあるというか、個人的には、ま…

『「無限」に魅入られた天才数学者たち』

アミール・D・アクゼル 著/青木薫 訳 ハヤカワ文庫NF ISBN978-4-15-050442-7 カントールを中心に、無限に関して書かれた読み物。 数学解説書ではなく読み物だが、読み物としては悪くないと思う。読み物でよければ読んでみても、という本か。 集合は、そ…

『がん幹細胞の謎にせまる 新時代の先端がん治療へ』

山崎裕人 著 ちくま新書 ISBN978-4-480-06838-5 がん治療と幹細胞研究の歴史が書かれたエッセイ。 自己顕示と科学楽観主義のため私には合わなかった。エッセイなので合う人には合うだろうから、それでよければ、というところかもしれないが、エッセイなので…

『ルソン戦線 最後の生還兵 マニラ陸軍航空廠兵士の比島山岳戦記』

高橋秀治 著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-2898-3 第二次世界大戦中ルソン島で米軍に追われ山岳に逃げ込んでから復員までのことを書いた戦記。 やや分かりにくい面もあるが、特徴もあるので、この手のものが好きで興味があるなら読んでみてもよい本か。 特…

『確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで』

小島寛之 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257927-8 確率に関して書かれた本。 大体の感じとしては、数学おたくが確率について熱っぽく語った本、というのが妥当なところか。 おたくがおたく趣味について語り始めると一般人は辟易するしかない、という…

『地球を突き動かす超巨大火山 新しい「地球学」入門』

佐野貴司 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257925-4 著者の研究フィールドである超巨大火山に関して書かれた本。 それほどまとまっているわけでもなく、入門という感じでもないが、著者の研究フィールドのことが書いてあるだけに、興味深くは読める。…

『教師はサービス業です 学校が変わる「苦情対応術」』

関根眞一 著 中公新書ラクレ ISBN978-4-12-150531-6 教師向けに、保護者などからの苦情にどう対応すればいいか書かれた本。 苦情対応なんて本書に書かれているほど簡単ではないと思うが、教師向けの苦情対策本なので、それでよければ、という本か。 一般の人…

『大東亜戦争 敗北の本質』

杉乃尾宜生 著 ちくま新書 ISBN978-4-480-06843-9 太平洋戦争敗北の理由を訪ねた読み物。 敗北にいたった帝国陸海軍の悪癖をあれこれと渉猟したもので、そうした読み物でよければ、一つの読み物、という本か。ただ特に読んでみるほどのものはないと思う。 基…

『教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」』

内田良 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03863-2 教育リスクに関していくつかのことが書かれた本。 全体として、雑多な本ではあるが、一つの指摘ではある、というところが。内容はそれほどでもないとして表現とかはガチ左翼っぽい感じだが、それでよければ、と…

『分子レベルで見た触媒の働き 反応はなぜ速く進むのか』

松本吉泰 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257922-3 触媒反応研究としての表面科学について書かれた本。 大体のところ表面科学に現在どのようなことができるか書かれたもので、やや方法論的な色合いはある。 方法論だけにストレートな面白さはないと思…

『群論入門 対称性をはかる数学』

芳沢光雄 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257917-9 群論について書かれた本。 五章の途中以降は、読んだというより目を通しただけだった。 私のレベルでは、本書を理解するための参考書が必要だ。一冊で足りるかどうかは別にして。 参考書なしで本書…

『擬音語・擬態語辞典』

山口仲美 編 講談社学術文庫 ISBN978-4-06-292295-1 擬音語と擬態語の辞書。 基本的にあまり読むものではないだろうが、読めなくはないという本か。 ただし、コストパフォーマンスは悪いと思う。 引く辞書としては、ややこなれていない感じもある。 「ほっそ…

『やじうま入試数学 問題に秘められた味わいのツボ』

金重明 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257913-1 数学の入試問題をネタに書かれた数学エッセイ集。 ほぼ、特にどうということはないエッセイ集。エッセイ集なので合う人には、という本か。 入試問題だから解けることが基本だし、それをネタに周辺をち…

『超越数とはなにか 代数方程式の解にならない数たちの話』

西岡久美子 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257911-7 超越数に関して書かれた本。 一応読んだが、私にはほぼわけが分からなかった。 一ページに二時間くらいかければ理解できなくもないのかもしれないが、それで理解できる保証もないし、ちょっとそこ…

『なぜリーダーは「失敗」を認められないのか』

リチャード・S・テドロー 著/土方奈美 訳 日経ビジネス人文庫 ISBN978-4-532-19759-9 否認に関して書かれたビジネス本。 自分にとって都合が悪い現実を認めない否認に陥って失敗したり、あるいは逆に否認に陥らずに危機を回避した企業の興亡のエピソードを…

『ゴーストライター論』

神山典士 著 平凡社新書 ISBN978-4-582-85772-6 ゴーストライターについて書かれた本。 ライターが書いているだけに比較的まとまったそれなりの読み物で、ゴーストライターについて読みたければ、という本か。 ライターが書いているので全体的に擁護的で、ス…