『現代経済学 ゲーム理論行動経済学・制度論』
瀧澤弘和 著
中公新書
ISBN978-4-12-102501-2
現在における経済学の展開を素描した本。
基本的に、法則の発見を目指して市場均衡における精緻な数理モデルの確立を追及した新古典派経済学から、現代ではゲーム理論行動経済学を使った人間の経済行動のメカニズムを分析するようになった、と説いたもの。
そうしたものでよければ、なかなか面白かった。興味があれば読んでみてもよい本だと思う。
問題点としては、やや難しめであることと、現代経済学に対する著者の把握がこうだ、という以上のものは結局はあまりないこと。
どうせ分からないから本書を読んで方向付けを得てからゲーム理論行動経済学を学ぶという順番はありかもしれないが。でも王道ではないと思う。
ある程度経済学について知っている中級者向け。
それでよければ、読んでみてもよい本だろう。

以下メモ。
・ルーカス批判は、人々の持つインフレの予想によって結果が左右されうる、という点において、物理学的な法則の発見という旧来経済学からの離脱を意味していた。
・同じような意味において、人間が歴史的あるいは無意識的に依拠している制度の分析が現代では重要になっている。

『こうして知財は炎上する ビジネスに役立つ13の基礎知識』
稲穂健市 著
NHK出版新書
ISBN978-4-14-088558-1
知財に関するトラブルをネタに、知財についての基礎的な知識を解説した本。
トラブルメインというよりは解説メインなので、卑俗な野次馬欲求はあまり満たされないが、知財に関する入門読み物としてならそれなりという本か。知財について興味があって入門程度のものでよければ、というところ。
もう少しトラブルメインでよかったような気もするが、解説がほしければ、悪くはないと思う。
それでよければ、という本だろう。

『一度太るとなぜ痩せにくい? 食欲と肥満の科学』
新谷隆史 著
光文社新書
ISBN978-4-334-04364-3
食欲と肥満に関しての生化学のまとめ。
光文社新書らしい入門まとめで、入門まとめでよければ読んでみても、という本か。
あんまりすっきり切れる感じはなく、力ずくで押しつぶしたような感じだが、入門まとめとしてはそれでもいいのだろう。
それでよければ、という本だと思う。

以下メモ。
・食べたものの匂いは、のどを経由して鼻に入り知覚される。食べ物の匂いは味の重要な構成要素である。
鼻をつまんで食べると、空気の流れが阻害されて臭いを感知しにくくなる。
ブドウ糖の濃度が高いと、たんぱく質と反応して生成物ができ、糖尿病や動脈硬化などの原因となる。
・果糖の糖化反応はブドウ糖よりも強力。

戦国大名と分国法』
清水克行 著
岩波新書
ISBN978-4-00-431729-6
分国法について書かれた本。
特段これといったテーマはなく分国法に関していくつかのことが書かれたもので、新書レベルの紹介としてはまずまず、という本か。興味があるならば読んでみても、という本。
新書レベルの、それほど詳細でも網羅的でも難しくも簡単でもない紹介、という以外に記しておくようなことはあまりない。
分国法に興味があるならば、というもの。
興味があるならば読んでみてもよい本だろう。

以下メモ。
・豪族も村々を支配するためには大名権力が必要だった。
・中世では親類縁者を巻き込んで対立が拡大してしまうため、喧嘩両成敗はそれに見合うものでもあった。
・今川、武田、六角、大内といった戦国を生き残れたなかった大名が分国法を遺し、織田、徳川、上杉、毛利、島津といった錚々たる有力大名が分国法を残していないところを見るに、法を制定して善政をしくよりも手っ取り早く他国から奪ってくるほうが戦国時代には合っていただろう。