それは新潮的な

『マトリ 厚労省麻薬取締官
瀬戸晴海 著
新潮新書
ISBN978-4-10-610847-1
退官した麻薬取締官が自らがしてきたような仕事について書いた本。
退官者のエッセイ、といえば、そうしたものなので、それで良ければという本だが、視野が狭い気はする。
誰しも自分がしてきた仕事を否定したくはないだろうが、それにしても、という感じ。
少しは古巣に対する批判精神とかあってもいいのではないだろうか。
それがなく、あまりにも新潮的というか、短絡右翼一丁上がりみたいになってしまっているのはどうなんだろう。
退官者のエッセイはこんなものといえばこんなものだが、積極的に薦めるほどではない。
それでも良ければ、という本だろう。