『大東亜戦争 敗北の本質』

杉乃尾宜生 著
ちくま新書
ISBN978-4-480-06843-9
太平洋戦争敗北の理由を訪ねた読み物。
敗北にいたった帝国陸海軍の悪癖をあれこれと渉猟したもので、そうした読み物でよければ、一つの読み物、という本か。ただ特に読んでみるほどのものはないと思う。
基本的に、論証があまりうまくできていない。
例えば、白兵銃剣突撃主義について、それが日露戦争後に用いられたことは書かれていても何故それが採用されたかは検証されていないので、日露戦争から誤った教訓を引き出した、と著者がいうようにはがえんじえない。
だから本書は読み物の域を出ず、特にというものでもない。
薦めるほどの本ではなかった。