2015-01-01から1年間の記事一覧

『東京劣化 地方以上に劇的な首都の人口問題』

松谷明彦 著 PHP新書 ISBN978-4-569-82481-9 今後の東京は割合として地方以上に急激に高齢化と人口減少がやってくるから大変だ、と書かれた本。 そうした読み物としては、それなりかもしれないが、ただ読み物のせいか論拠はあまり明確でなく、薦めていい…

『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』

小林雅一 著 講談社現代新書 ISBN978-4-06-288307-8 最近のAIの進展について書かれた本。 一文でいえば、船に乗り遅れるな、という本だが、最新事情のまとめといえばまとめなので、それでよければ、という本か。 AIについての本はいくらでもありそうだし…

『素数が奏でる物語 2つの等差数列で語る数論の世界』

西来路文朗・清水健一 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257906-3 整数論に関して書かれた数学本。 面白いことは面白く、数学書の好きな人はこういうのを楽しめるのだろうなあというのは分かる本だが、かなり難しいので数学本の好きな人向け。それでよ…

『入門 犯罪心理学』

原田隆之 著 ちくま新書 ISBN978-4-80-06824-8 犯罪心理学に関する入門書。 あまり深くも細かくもないが、入門書としてはこんなもの、といった感じの本か。それでよければ、という本。 ただ、妙に攻撃的なので、初心者向きではないかもしれない。ロールシャ…

『袁世凱 現代中国の出発』

岡本隆司 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431531-5 袁世凱の伝記。 時代に乗り、時代に翻弄された袁世凱の生涯を描いたもので、新書レベルではそれなりによくできた本だと思う。興味があれば読んでみてもよい本か。 私は、袁世凱について、世界史教科書レベルの知…

『99.996%はスルー 進化と脳の情報学』

竹内薫・丸山篤史 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257901-8 情報に関して書かれたエッセイ。 あまりブルーバックスらしくはないエッセイ読み物で、特にどうということはなくエッセイでよければ、という本か。 エッセイなので合う人には合うだろう。 …

『ビスマルク ドイツ帝国を築いた政治外交術』

飯田洋介 著 中公新書 ISBN978-4-12-102304-9 ビスマルクの評伝。 あまり特徴があるとか優れているとかはないが、新書レベルでは標準的な評伝だと思う。それでよければ、という本。 ただし、別に入門向きではないので、ユンカーって何、プロイセンって何、と…

『殷――中国史最古の王朝』

落合淳思 著 中公新書 ISBN978-4-12-102303-2 甲骨文字史料を元に殷の歴史を探った本。 甲骨文字や金文史料のみに頼って文献史料を軽視する様は、少し行き過ぎのような気がするが、それでよければ、という本か。 文献史料は、軽視というよりは敵視という勢い…

『哺乳類誕生 乳の獲得と進化の謎 脅威の器官がうまれるまで』

酒井仙吉 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257898-1 進化について書かれた本。 生命進化に関していくつかのことがやや雑多に書かれたもので、あまりテーマ的な統一感はない。雑学本としてならありかも、という本か。 哺乳類の誕生とか泌乳器官の進化に…

『ニッポンの裁判』

瀬木比呂志 著 講談社現代新書 ISBN978-4-06-288297-2 近代自由主義の立場から現代日本の裁判を批判した本。 そうしたものなのでそれでよければ、という本か。 なんというか、近代自由主義を信奉する人同士の飲み会で、日本の裁判はダメだよな、とか語ってい…

『元国税調査官が明かす 金を取る技術』

大村大次郎 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03839-7 国や国税のやり口を批判した本。 それに特化したといえばいえるが、この著者があちこちに書いてきたことの繰り返しではある。 批判だとどうしても一方的になるし、オーバーランしていることもあるだろうから…

『新しい免疫入門 自然免疫から自然炎症まで』

審良静男・黒崎知博 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-257896-7 免疫システムについて書かれた本。 免疫について、割とまとまっていて、面白い。ただし、複雑なことが書かれているので若干難しい面はあると思う。 それでよければ、結構いい本。 悪くはない…

『逆問題の考え方 結果から原因を探る数学』

上村豊 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257893-6 逆問題について書かれた数学読み物。 行列とか積分方程式とかそれらの式の変換とかがびしばし書かれた本で、個人的には、ここまで容赦がないとほとんどさっぱり分からん、という以外の感想はない。 微…

『将軍と側近 室鳩巣の手紙を読む』

福留真紀 著 新潮新書 ISBN978-4-10-610598-2 室鳩巣の手紙等を集めた『兼山秘策』を元に、鳩巣から見た幕府中枢政治のありようを探った本。 そういう本なので、当然室鳩巣の政治思想が中心に来るわけだが、個人的にはその儒教的政治姿勢に十分批判的である…

『ようこそ「多変量解析」クラブへ 何をどう計算するのか』

小野田博一 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257890-5 多変量解析がどういう計算を行っているか、書かれた本。 実際にやっているところを見せる工場見学みたいな本で、その細かい部分については実はよく分からなかったりするが、それでよければ、とい…

『直感を裏切る数学 「思い込みにだまされない数学的思考法」』

神永正博 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257888-2 数学読み物。 直感云々は、確かにそうなってはいるのだろうが選択に当たってはあまり考えなくていいと思う。特にどうということはない数学読み物。数学読み物がよければ、という本か。 全体的にそう…