『成長なき時代のナショナリズム』

萱野稔人
角川新書
ISBN978-4-04-082047-7
著者による政治コラム集。
テーマ的な統一感はあるが、いろいろなものの寄せ集めで、ぶつ切り感はひどいし、寄せ集めただけであまり踏み込んだ論にもなっていないので、著者のファンが買うような本、というのを出てはいないと思う。それでもよければ、という本か。
大体の趣としては、中道右派からの極右批判、といったところ。
従軍慰安婦について騒ぎ立てるのは国益に反するだけだからやめろ、で納得するのは中道右派どまりではないかという気はするが。
批判以上のもの、例えば、成長なき時代のナショナリズムはこうでなければ、というような話はほとんどない。
それでよければ、という本だろう。