『残念なメダリスト チャンピオンに学ぶ人生勝利学・失敗学』

山口香
中公新書ラクレ
ISBN978-4-12-150539-2
アスリートの引退後に関して書かれたエッセイ。
私としてはとても面白かったが、基本的には、何かについて書かれた本というのではなく、山口香のエッセイが読みたければ、という本か。それでよければ面白い本。
エッセイなので、合う人には合うし、合わない人には合わないだろう。
山口香のエッセイに興味があるという人なら、お薦めしたい。

以下メモ。
・ライバルを蹴落としてでも上がっていかなければならないチャンピンは、孤独を好む人でないとなれない。
山下泰裕も、勢いのある若い選手が出てくると乱取練習で長時間放さず打ちのめした。
・メダルは取ってしまってからの方が大変で、一度頂点を知ってしまえば普通の暮らしでさえ屈辱に感じることがある。
・メダルを取ることは運であり、メダリストより実力のある人、メダリストより才能のある人、メダリストより努力した人はいる。
・全盛期を過ぎたトップアスリートは、客観的には勝てなくなっても、主観的には次は勝てそうな気がするので、引き際が難しい。