2006-01-01から1年間の記事一覧

『特攻とは何か』

森史朗 著 文春新書 ISBN4-16-660515-1 神風特攻隊についてのノンフィクション読み物。 大体のところ、割と普通のノンフィクション読み物で、ノンフィクションとして、まずまず、という本ではないだろうか。 (特攻隊に)選ばれた側ではなくて、選んだ側の論…

『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』

北尾トロ 著 文春文庫 ISBN4-16-767996-5 裁判を傍聴して書かれた企画読み物。 裁判傍聴録、といえば、裁判傍聴録だが、それよりも寧ろ、雑誌の連載企画読み物、と捉えた方が分かりやすい本であろう。これはけなしているのではなくて、B級というか、キワモ…

『角の三等分』

矢野健太郎 著 一松信 解説 ちくま学芸文庫 ISBN4-480-09003-7 角の三等分に関して書かれた数学本。 太平洋戦争中に出版された第I部に、第II部として解説を付け加えたものだが、第I部もそれ程簡単ではなかったものの、第II部は、私には殆ど理解できなかっ…

『神になった人びと 日本人にとって「靖国の神」とは何か』

小松和彦 著 光文社知恵の森文庫 ISBN4-334-78432-1 神として祀られた人々に関して書かれた読み物。 半分は、人を祀った神社仏閣に関する雑学本、半分は、人を神として祀るという日本人の習俗に関してのエッセイ的論考だが、文庫化に際して後者のウェイトを…

『憲兵 元・東部憲兵隊司令官の自伝的回想』

大谷敬二郎 著 光人社NF文庫 ISBN4-7698-2499-8 元憲兵による回想雑録。 全体的には、割と細かいというか枝葉末節の、どうでもいいといえばどうでもいいことが多く書かれた本ではあるが、回想なんていうのは比較的そういうものだろうし、私的な回想で良け…

女性のオルガスムス

は男性のオルガスムスより強い、という言説が、男性の目から見て真実であるように見える、ということは、確かであると思う。 その理由としては、つまり、オルガスムスの快感は、実際にはそれ程強いものでもないのではないだろうか。男性が感じるオルガスムス…

『オルガスムスのウソ』

ロルフ・ゲーデン 著 赤根洋子 訳 文春文庫 ISBN4-16-765160-2 主としてオルガスムスについて書かれた性科学に関する雑学読み物。 大体のところ、科学ライターが手堅くまとめた書、といった感じの本で、雑学読み物で良ければまずまず無難なもの、という本か…

先日、某商品先物会社の人が、「経済情報を扱っている会社ですが」と言って、営業に来た。 いや、この会社からは前に何人も飛び込み営業が来ているから、商品先物を扱う会社であることは、分かっている訳だが(確かに、商品先物も経済情報には違いないのだろ…

サッカーというのは余り点が入らないスポーツだが、そのおかげで、日本がブラジルに惨敗したといっても1−4程度で済んでいる訳で、これがラグビーみたいに17-145だったら立ち直れなくなるくらいにサッカー人気に冷水を浴びせられていただろうということを考…

『入門 医療経済学 「いのち」と効率の両立を求めて』

真野俊樹 著 中公新書 ISBN4-12-101851-6 医療経済学に関してぐだぐだと書かれた本。 良くいえば、総花的な概説書、という感じの本ではあるのだろうが、あれこれぐだぐだと書かれているだけで、私としては何だかよく分からない本ではあった。 医療がレモン市…

イスラエルに攻撃されるレバノンに対し、レバノンの民主主義のことは第一に心配しても、レバノンの人々のことは心配しないアメリカのブッシュ大統領というのは、流石にアメリカなのだろう。

『明治天皇 苦悩する「理想的君主」』

笠原英彦 著 中公新書 ISBN4-12-101849-4 主として政治との関りから見た明治天皇の評伝。 あるいは、明治天皇を中心に見た明治時代の政治史、と考えるのが、最も間違いがないだろうか。 そう特別なものでもないが、一通りの通史といえば通史なので、興味があ…

W杯決勝戦で退場になったジダン選手は、具体的に何を言われたのかは明らかになっていないものの、母親(と姉)を侮辱されたとかで(一説によると売春婦といわれたとか)、以前、サノヴァビッチが何故侮辱語になるのかいま一つ理解できないと書いたことがあ…

『生きていることの科学』

(郡司ペギオ−幸夫 著、講談社現代新書)を挫折した。 いっていることがさっぱり分からないし、面白そうにも思えない。裸の王様がバカには見えない素晴らしい服を着ている、と言われているような気分。 著者の理論を予め知っている人には、どういう発想から…

『メディア社会 現代を読み解く視点』

佐藤卓己 著 岩波新書 ISBN4-00-431022-9 メディアに関して書かれたコラム集。 主として新聞の連載コラムを一冊にまとめたもの、ということで、細かいコラムの寄せ集めであり、大体のところ、ファンが読むような本、といった感じのものか。 余りにも短すぎで…

『ジプシー 歴史・社会・文化』

水谷驍 著 平凡社新書 ISBN4-582-85327-7 ジプシーに関する概説書的な本。 というか、要するに、ジプシーに関して著者が調べた範囲の現時点での一応のまとめ、といった本か。 調べた範囲の現時点での一応のまとめ、なので、概説書としてよくまとまっていると…

『本当の潜水艦の戦い方 優れた用兵者が操る特異な艦種』

中村秀樹 著 光人社NF文庫 ISBN4-7698-2493-9 潜水艦の軍事戦略に関していくつかのことが書かれた本。 第二次世界大戦から現代まで幅広く扱っているせいもあって、話が拡散的でだらだらとした感じはあり、一冊の本として優れている、というものではないが…

『フェルマーの最終定理』

サイモン・シン 著 青木薫 訳 新潮文庫 ISBN4-10-215971-1 フェルマーの定理に関して書かれた数学読み物。 評判となった本で、確かに評判になることも分からなくはないが、私には必ずしも合わなかった、という本か。 良い点としては、補遺以外には難しいとこ…

『驚異の戦争 古代の生物化学兵器』

エイドリアン・メイヤー 著 竹内さなみ 訳 講談社文庫 ISBN4-06-275409-6 ギリシャ・ローマを中心とした古代世界で使われた生物化学兵器に関する一般向け読み物。 これらの兵器の悲惨さと結局は兵器を作った者に災いが跳ね返ってくる教訓とを語ってBC兵器…

何を勘違いしたのか検算したら違っていたので、昨日の記述は、18%以上を18%近くにこっそりと修正した。

日銀総裁

が明らかにした数字を見るに、約五年間の運用で1000万円が2231万円になったということは、ファンドの仕組みがどうなっているのかよく知らないが、年複利で計算して一年に18%近くの利回りを上げていることになる訳で、村上ファンドというのは、優秀だったの…

『日本語の歴史』

山口仲美 著 岩波新書 ISBN4-00-431018-0 日本語の歴史に関していくつかのことが書かれたエッセイ。 概説ではなく、いくつかの論点に焦点を絞ったエッセイ的な読み物、といった感じの本で、エッセイ的であるだけに全体的なテーマとか統一感とかには乏しいが…

例えば、日銀総裁が一般の銀行に普通預金を持っていたとする。その銀行が経営危機に陥って日銀特融が実施された場合、日銀総裁は、自分の預金を守ったとして、非難されるべきなんだろうか。 そうであるとするならば、日銀総裁は、公共料金の支払い等に銀行自…

『ダイヤモンドの科学 美しさと硬さの秘密』

松原聰 著 講談社ブルーバックス ISBN4-06-257517-5 ダイヤモンドに関していろいろなことが書かれた雑学本。 若干難しめのような気がしないでもないが、全体的には普通にありそうな雑学本か。 別に普通にありそうな雑学本なので、特に述べておくようなことは…

『歴史探索の手法 岩船地蔵を追って』

福田アジオ 著 ちくま新書 ISBN4-480-06297-1 享保四年に流行した岩船地蔵に関して書かれた歴史民俗学的な読み物。 読み物としてはサブテーマがあるなどそれなりに工夫もしてあって、悪い本ではなく、十分に標準レベルの歴史民俗学的読み物だと思うが、いか…

『不完全性定理 数学的体系のあゆみ』

野崎昭弘 著 ちくま学芸文庫 ISBN4-480-08988-8 メタ数学に関する入門的な読み物。 入門読み物としては、それなりといえばそれなり、といった本だとは思うが、ゲーデルの不完全性定理の証明の実際については、私には理解できなかった。 他の部分が仮にどんな…

自殺者数

日本における自殺者数が、1998年から現在まで、3万人超くらいの数字で大体平均的に推移しているのに、1997年以前には、2万人から2万5千人くらいの間で、かなり長い間これまた平均的に推移しているのは、不思議だ。 このようにかなり不自然な(と私には思われ…

ツンデレのリアリティは、他者の内面という隠されたものを想定しているところにあるのではないだろうか。 もしそうであるならば、ツンデレにおける萌えは、萌えるが故にリアリティがある、のではなく、リアリティがあるが故に萌える、のではないだろうか。 …

『戦闘美少女の精神分析』

斎藤環 著 ちくま文庫 ISBN4-480-42216-1 著者によるアニメ評論。 基本的には、ラカン派に属するらしい、何言ってっかさっぱりわっからない系の評論。 ファリック・ガールのヒステリー化、とか。ラカンにおいてはヒステリーに特殊な位置付けがなされているら…

『日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」』

網野善彦 著 洋泉社・新書MC ISBN4-86248-030-6 著者による雑論集。 全体的なテーマのようなものがないという訳では必ずしもないが(テーマについては、大体最後にメモしてあるようなこと)、諸所に発表した論や講演録等を一冊にした本で、余りまとまりは…