『ダイヤモンドの科学 美しさと硬さの秘密』

松原聰 著
講談社ブルーバックス
ISBN4-06-257517-5
ダイヤモンドに関していろいろなことが書かれた雑学本。
若干難しめのような気がしないでもないが、全体的には普通にありそうな雑学本か。
別に普通にありそうな雑学本なので、特に述べておくようなことはなく、そういうもので良ければ、読んでみても、という本だろう。
難しめというのは、ブルーバックスとしてはそうでもないが、雑学本としては難しめというところ。説明が簡略というか中途半端というか、理解できるようにはすべての事柄が書かれていないという感じがする(例えば、ダイヤモンドが何故地殻の厚い大陸下でないとできないのか、説明されていない)。
しかし雑学本と割り切れば、こんなものか。
興味があれば、というところだろう。
以下メモ。
・ダイヤモンド中の炭素は、4つの方向に結合を持っているので、硬い。
メチル基中の炭素も同様の結合を持つため、メタン等を使って、高圧条件下でなくてもダイヤモンドを合成することができる(CVD法)。
・マグマが上昇する時には途中の岩石を取り込んでいくが、上昇時間が短いと、それらがすべては溶解し切らずに残る。ダイヤモンドは、このようにして大陸下深くから地表付近まで運ばれる。
・硬いダイヤモンドは原子間の結合が強いので熱伝導率が極めて高く(そのため、触った時に体温を奪って冷たく感じるので、簡易な鑑定法になる)、また不純物としてホウ素を含んだダイヤモンドは半導体になる等の特性があって、ヒートシンクや温度センサー等、切削工具以外にも様々な工業材料としての用途が考えられている。