『明治天皇 苦悩する「理想的君主」』

笠原英彦 著
中公新書
ISBN4-12-101849-4
主として政治との関りから見た明治天皇の評伝。
あるいは、明治天皇を中心に見た明治時代の政治史、と考えるのが、最も間違いがないだろうか。
そう特別なものでもないが、一通りの通史といえば通史なので、興味があってそういうもので良ければ、読んでみても、という本か。
明治天皇陸奥の登用に反対したのが、何故「的確な判断」といえるのか(元田永孚の入れ知恵だったのなら尚更)とか、よく分からない箇所も結構あるので、私としては余り薦めるようなものではない。
それでも、それなりの通史といえばそれなりの通史だろうから、読みたければ、というところだろう。
メモ1点。
不平等条約の改正には、諸外国からそのための条件とされた外国人の内地雑居を認めることが、国内的に大きなハードルになった。