面白くない、のがある意味面白い、かもしれない

木戸幸一 内大臣の太平洋戦争』
川田稔 著
文春新書
ISBN978-4-16-661253-6
内大臣時代の木戸幸一の軌跡を追った本。
誰かの孫というだけの凡庸な政治家がいかに失敗したかを描いたもので、基本的に面白くはない。その面白くないのを面白く読める人なら、という本か。それで良ければ、というもの。
戦争を引き起こして負けてA級戦犯になった人の話だし。
木戸が守ろうとしたのは、天皇家、あるいは天皇家が君臨する国体、だったのだろう。
昭和天皇も多分そうだったのだろうが。
国民、臣民はその余禄に過ぎない。
だから、天皇制は結局続いているわけだからいいのではないだろうか。
とはならないわけで、基本的に面白くはない。
それで良ければ、という本だろう。