ちょっと雑な概論

『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の原因』
山田昌弘
光文社新書
ISBN978-4-334-04468-8
日本の少子化対策が何故失敗したかについて書かれた本。
要するに、ヨーロッパでの成功モデルをそのまま持ってきただけなので条件が異なる日本ではうまくいかなかった、ということが書かれている。
あれこれの議論の集大成みたいなものではあり、手っ取り早くいろいろつかめるという点ではいいが、その分、個々の議論はあまり詳細でなく、やや雑というか足りない感じはある。それで良ければ、という本か。
一冊であれもこれも、という人にはいいのではないだろうか。
そうしたもので良ければ、読んでみてもという本だろう。

以下メモ
・欧州では、人生のパートナーを見つけることは当然の目標といった気風があり、子どもは成人すれば親元を離れるのが普通なので、パートナーを見つけて同居することは生活のコストを下げる。日本では親と同居したほうが良い生活を送れる。
・欧州では子どもを育てるとは子どもと有意義な時間を過ごすことであり、日本のように子どもの全側面に渡って良い生活を送らせることではない。だから単身赴任というものもない。