テーマはない

清須会議 秀吉天下取りのスイッチはいつ入ったのか?』
渡邊大門 著
朝日新書
ISBN978-4-02-295076-5
本能寺の変から太政大臣就任のころまで、秀吉の天下取りの足跡をたどった本。
あまりテーマや結論といったものはなく、足跡を順次に追った本で、清須会議もその一部でしかない。そうしたもので良ければ、という本か。
清須会議で山城を手に入れて朝廷の保護者となったことが秀吉勝利の要因であり、その重要性を理解しなかった柴田勝家以下の敗因だった、というのが結論かもしれないが、別にそういうことが論じられているのでもなく。
あるいは、帯に書かれている通り、秀吉はひでえやつだ、というのが結論なのかもしれないが。
全体的にただ順に流れを追った本で、それで良ければ、というものではないかと思う。
それなりの好事家にはそれなりの本。
それ以上のものはない。
それで良ければ、という本だろう。