2009-01-01から1年間の記事一覧

『分子進化のほぼ中立説 偶然と淘汰の進化モデル』

太田朋子 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257637-6 分子進化のほぼ中立説に関して書かれた本。 基本的にはかなり分かり難い本で、「ほぼ中立説」を紹介・解説したもの、というようには考えない方が良い。書いていることが分からない、というのでは必…

『人類進化99の謎』

河合信和 著 文春新書 ISBN978-4-16-660700-6 人類進化に関して書かれた読み物。 人類進化に関する様々なトピックスに軽く触れた程度の読み物で、読み物としては別にそれなりのものだろうから、そうしたもので良ければ、読んでみても、という本か。 ただし、…

『金融資本主義を超えて 僕のハーバードMBA留学記』

岩瀬大輔 著 文春文庫 ISBN978-4-16-775380-1 ハーバードMBAに留学した人が書いたエッセイ。 ブログを基にした本、ということで、そういった類の、日々の雑感を綴った読み物。 そうしたものなので、そうしたもので良ければ読んでみても、という本か。余り…

『チンパンジー ことばのない彼らが語ること』

中村美知夫 著 中公新書 ISBN978-4-12-101997-4 チンパンジー学についていくつかのことが書かれた本。 内容としては、人間に近いというチンパンジーの一般的なイメージに反駁したり、霊長類学に批判的なことをいったり、チンパンジーの生態について書いたり…

『徴税権力 国税庁の研究』

落合博実 著 文春文庫 ISBN978-4-16-776601-6 国税庁を長年担当してきた記者が国税庁の税務調査姿勢について書いた本。 税務調査一般、というのではなく、国税当局が有力な納税者に対してどのように取り組んできたか、というよりは、取り組んでこなかったの…

『人間はウソをつく動物である 保険調査員の事件簿』

伊野上裕伸 著 中公新書ラクレ ISBN978-4-12-150313-8 損害保険の調査に携わっていた著者が、当時の経験などを書いたエッセイ。 保険調査員としてのエピソードが書かれたもの、といえば書かれたものだが、事故を装って保険金を騙し取ったり、火事を起こして…

『作家とは何か 小説道場・総論』

森村誠一 著 角川oneテーマ21 ISBN978-4-04-710186-9 著者が作家としての心構えなどについて語った本。 小説の指南書を分冊にしたものの一冊で、分冊になってはいるが、多分、全部読む小説家志望の人向けの本なのだろう。 分冊にしたせいか、まとまっても…

『捕虜 捕らえられた日本兵たちのその後』

大谷敬二郎 著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-2602-6 第二次世界大戦における日本兵の捕虜に関して書かれた本。 内容としては、捕虜に関して書かれた、としか言いようはないが、かなり雑多で総花的な概説。日中戦争や太平洋戦争のおおよその経過、敗戦後に…

『「戦争体験」の戦後史 世代・教養・イデオロギー』

福間良明 著 中公新書 ISBN978-4-12-101990-5 第二次世界大戦における主に学徒出陣兵の戦争体験が、戦後どのように語られてきたか、ということに関して書かれた本。 全体的にテーマや対象の絞り込みは甘いが、小史としては一応の小史、という本か。 テーマは…

『だましの手口 知らないと損する心の法則』

西田公昭 著 PHP新書 ISBN978-4-569-70646-7 悪徳商法やカルト宗教等に対する批判読み物。 タイトルに、だましの手口、とあるように、一応、それらが人を陥れる時にどのような手口を使うか、ということを中心に書かれたものではあるが、実際にはやや総花…

『完本 1976年のアントニオ猪木』

柳澤健 著 文春文庫 ISBN978-4-16-775365-8 1976年に行われた四つの猪木の試合を中心に、プロレス格闘技の歴史を描いた物語。 物語の筋としては、現実の興行面では馬場に勝てなかった猪木が打ち出した戦略が、プロレスは最強だ、というファンタジーであり、…

結局のところ、

ニセ科学を批判する喜びとは他人を見下す悦びでしかないだろうから、ニセ科学批判に対する批判と反発は、起こるべくして起こるもののようには思われる。

『学歴分断社会』

吉川徹 著 ちくま新書 ISBN978-4-480-06479-0 現代日本における格差について、その中に大卒と高卒との差がある、ということが説かれた本。 現代日本社会に対する一つの視点といえば視点だろうから、そうしたもので良ければ、読んでみても、という本か。 ただ…

『日本の子どもと自尊心 自己主張をどう育むか』

佐藤淑子 著 中公新書 ISBN978-4-12-101984-4 著者らが行ったアンケート調査に関する報告論文。 大体のところ、ほぼ報告論文と考えておいた方が良い本か。良くいえば、そうしたもので良ければ、読んでみても良い本。ただし、報告論文なので一般向けに読みや…

『進化倫理学入門 「利己的」なのが結局、正しい』

内藤淳 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03493-1 進化倫理学についての入門書。 大体のところ、光文社新書にありがちな、スタンダードな入門書だと思う。新書レベルの入門書で良ければ、悪くない本。興味があるのなら、読んでみても良い本だろう。 話の筋として…

『越境の古代史 倭と日本をめぐるアジアンネットワーク』

田中史生 著 ちくま新書 ISBN978-4-480-06468-4 古代における倭や日本の対外交流史について書かれた本。 全体に、やや頭でっかちで理念に走りすぎるきらいがあり、著者が本書をどういう本にしたかったのか、何らかの訴えたいテーマがあったのか古代の対外交…

『金正日の料理人 間近で見た独裁者の素顔』

藤本健二 著 扶桑社文庫 ISBN978-4-594-05846-3 北朝鮮へ行って金正日の料理人を務めていた人がその間の出来事などを綴った手記。 全体に、特別でもないが悪くもない、それなりといえばそれなりの読み物か。そうしたもので良ければ、読んでみても、という本。…

『戦国仏教 中世社会と日蓮宗』

湯浅治久 著 中公新書 ISBN978-4-12-101983-7 中世における日蓮宗の展開に関して書かれた本。 テーマ的にややまとまりはなく、論というよりはエッセイという感じの本か。中世日蓮宗に関して雑多に書かれたエッセイ、ということで良いのなら、読んでみても良…

『日本は原子爆弾をつくれるのか』

山田克哉 著 PHP新書 ISBN978-4-569-70644-3 原爆に関して書かれた本。 内容は、原子爆弾や原子炉の基本説明が七割、原爆の作り方が二割、日本が核を持つのにどの程度時間がかかるかという考察が一割、といったところで、日本が核を開発できるのかという…

新銀行を作ったのは石原都知事の失政だ、

というのは良いのだけれど、石原は新銀行設立を公約に選挙を戦った訳で、新銀行の設立が石原の失政ならそれは要するに石原を選んだ選挙民が馬鹿だったということだから、街頭演説でそれを言うのは、微妙に違うような気がした。

『ビジネスマンのための法務力』

芦原一郎 著 朝日新書 ISBN978-4-02-273256-9 ビジネスにおいて法的な問題を扱う能力をどのように高めていくか、ということについて書かれたビジネス書。 ビジネスにおいて法的な問題を扱う能力が必要だ、という前提には、やや理想論的なきらいはあるが、実…

『学校では教えない数学のツボ 11頭のロバを3人でどう分けるか』

小林吹代 著 だいわ文庫 ISBN978-4-479-30216-2 初等数学を使った簡単な数学の読み物。 数学読み物としては、特にということもないが、別にこんなもの、という感じの数学読み物だと思う。算数に毛が生えたクラスの簡単な数学読み物で良ければ、読んでみても…

『マグマの地球科学 火山の下で何が起きているか』

鎌田浩毅 著 中公新書 ISBN978-4-12-101978-3 マグマの地殻内部での挙動等が書かれた本。 地殻内でのマグマの動きや変化が中心なので、内容的に特色はあって、面白いが、ただ、科学を学ぶには、とか、科学者がどうの、とかいう話題が結構あり、それが個人的…

『シュメル神話の世界 粘土板に刻まれた最古のロマン』

岡田明子/小林登志子 著 中公新書 ISBN978-4-12-101977-6 シュメル語で書き残された神話についての紹介本。 紹介本で良ければ、一応の紹介本、という本か。 これで別に悪い、ということはないが、特に、という程、面白い訳でもない、と個人的には思った。 …

『殺人ウイルスの謎に迫る!』

畑中正一 著 ソフトバンク クリエイティブ サイエンス・アイ新書 ISBN978-4-7973-4976-4 ウイルスに関する入門概説書。 余り深い内容や面白い話はないが、入門書としては、こんなもの、という本か。 図表の説明の多くが、本文をピックアップしたものになって…

『海将補のアフリカ奮闘記 アフリカに海運を教えた国際協力六年間の記録』

松浦光利 著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-2589-0 JICAの専門家等として東アフリカで海運の指導に当たった人の体験録。 面白いエピソードや感動のドラマといったものはほぼないが、体験録としては一応の体験録、という本か。 アフリカへ海運の指導に行った…

『宇宙論入門 誕生から未来へ』

佐藤勝彦 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431161-4 宇宙論に関する入門書。 余り充実した感はないが、小著の入門書としては、それなりの入門書、という本か。小著の入門書で良ければ、読んでみても、という本。 小説風の出だしは余り読みやすくはなく、小著だし入…

内定取消については、

急に業績が悪化したから、内定を取り消すのだとしても、その業績の見通しを立てるのが経営者の仕事な訳で、経営者が立てた業績見通しに基づいた人事採用計画に従って出された内定を、業績の変化を理由に取り消すのならば、その前に、業績見通しを誤った経営…

『坂本龍馬』

松浦玲 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431159-1 書簡や日記等の一次史料を軸に、坂本龍馬の足跡をたどった本。 一次史料を軸にしているし、本当に足跡をたどっているだけなので、好事家向けではあるが、一次史料から龍馬の足跡を丹念に追っているので、そうした…