『人間はウソをつく動物である 保険調査員の事件簿』

伊野上裕伸 著
中公新書ラクレ
ISBN978-4-12-150313-8
損害保険の調査に携わっていた著者が、当時の経験などを書いたエッセイ。
保険調査員としてのエピソードが書かれたもの、といえば書かれたものだが、事故を装って保険金を騙し取ったり、火事を起こして火災保険を騙し取ったり、というのは、別に何も知らない素人でも、そういうことはあるんだろうなあ、と想像はつく訳で、取り立てて面白い、ぶっ飛ぶようなエピソードがあるのではなかった。
業界裏話でもないし、どうやって他人を疑うのかという話でもないし、どうやって他人の嘘を見抜くか、という話でもない。著者としては、一応それなりにまとめようとはしているみたいだが、女性は論理では納得できない、みたいなまとめではなあ、とは思う。
損害保険の調査員が見聞した事件簿、というものではあるので、それが面白いと思えるのならば、というところか。
私としては、特に取り立てて、という本ではなかった。