『だましの手口 知らないと損する心の法則』

西田公昭 著
PHP新書
ISBN978-4-569-70646-7
悪徳商法やカルト宗教等に対する批判読み物。
タイトルに、だましの手口、とあるように、一応、それらが人を陥れる時にどのような手口を使うか、ということを中心に書かれたものではあるが、実際にはやや総花的な批判読み物、と考えておいた方が良いと思う。
批判読み物なので、批判読み物で良ければ、読んでみても、という本か。手口の解説を期待した私には、やや物足りない本ではあった。
総花的で絞り切れていないし、例えば先物取引の勧誘事例が長々と記述してあるのは、どういう意図があって何のために書いてあるのかよく分からないし、何とかは科学的に証明されている、みたいな記述があるのは、ミイラ取りがミイラになっているような感じか。全体としては、特に薦めるほどの本ではないと思う。
批判読み物としては一応の批判読み物だろうから、それでも良ければ、というところか。
批判読み物は他にもあるだろうし、特に本書を、というものはない。
それでも良ければ、という本だろう。

メモ一点。
催眠商法などは、周りに人がいることそのものが被害者への心理的な圧力になりだましの手口ともなるので、自分は悪徳商法だと分かっているが無料の商品をもらってくるだけだからなどと参加するのは、実は業者のサクラをやっているに等しい。