『神は数学者か? 数学の不可思議な歴史』

マリオ・リヴィオ 著/千葉敏生 訳
ハヤカワ文庫NF
ISBN978-4-15-050507-3
宇宙に数学的な実在があるかそれとも数学は人間による発明にすぎないかどうかに関して書かれた数学史読み物。
基本的に、あまりたいしたことはない、それなりの数学史読み物。それでもよければ、という本か。
この問題と正面から格闘しているわけでもなく、ただそれらに関連する数学史の話を集めたもので、数学史の話を集めたものでよい人にはいいのかもしれないが、おおよそは中の下といったところだろう。
解説子が、弦理論の非常に優れた解説書になっているとか、ゲーデルが合衆国憲法の矛盾を語った話だけでも本書を読む価値があるとか無茶を書いているのは、要するにそういう褒め方しかできないからか。
特に、ということはほぼない。
それでもよければ、という本だろう。