『抗生物質と人間 マイクロバイオームの危機』

山本太郎
岩波新書
ISBN978-4-00-431679-4
抗生物質に関して書かれたエッセイ。
主題としては、抗生物質によって人間に常在する細菌もおかしくなっている、と警告したもので、個人的には、圧倒的にエビデンスが足りない、とは思ったが、別にエビデンスがなければ何も言ってはいけないともいえないし、そうしたものでよければ、という本か。
分娩時に母親から子どもへと腸内細菌が渡されるのだから安易に帝王切開するな、という話は面白かったが、やはりそのことについても十分なエビデンスがあるかどうかには疑問が残るようだ。
警告だから、誰の目にも明らかになってからでは遅いこともあるわけで、黙っていろということもできない。
私としてはちょっと限度を超えていると思ったが、それでもよければ、という本だろう。