『人の心は読めるか? 本音と誤解の心理学』

ニコラス・エプリー 著/波多野理彩子 訳
ハヤカワ文庫NF
ISBN978-4-15-050496-0
人の心を知ろうとすることに関する心理学読み物。
ありがちなそれなりの心理学読本で、それでよければ、という本か。
結論として、他人の心を知る一番よい方法は現状ではその人に直接聞くことだそうだ。
この手のものを読みなれている人にとって新しいものがあるかどうかは心もとないが、一通りまとまってはいるし、悪い本ではないと思う。
後は、読みたければ、という本だろう。

以下メモ。
・人は、社会全体の中で自分がどれくらいの位置にいるか、好かれているか嫌われているかということは分かっても、個々のある人に好かれているのか嫌われているのかということはあまり分からない。
(全体としては位置に応じたそれなりの反応が返ってくるので平均的なものを感じ取ることはできるが、個々の人がどう思ってその反応をしているかまでは見抜けない、ということか)
・人は他人の心を読まないとき他人を愚かだと考える。自分はやりがいなどのお金以外の動機で働いていると思っているのに、他人はお金のために働いていると思っている。
・予測不能な動きをするものに対して、人はそこに心があると考える。
ステレオタイプで判断すると共通点よりも差異に注目してしまう。