2012-01-01から1年間の記事一覧

『魏志倭人伝の謎を解く 三国志から見る邪馬台国』

渡邉義浩 著 中公新書 ISBN978-4-12-102164-9 三国志全体の成り立ちや陳寿の政治的立ち位置から、倭人伝を解釈した本。 内容的には要するに、司馬懿が公孫淵を滅ぼすことで倭が朝貢してきたので、司馬一族を顕彰するために倭は好意的に、強大に描かれている…

『鉄道会社はややこしい』

所澤秀樹 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03687-4 直通運転や相互乗り入れなど、鉄道会社同士の関係について書かれた本。 基本的には、外側から見て分かることを書いたデータ集で、好きな人にはそれなりの雑学本というところだと思う。興味があるならば読んで…

『ハーバード白熱日本史教室』

北川智子 著 新潮新書 ISBN978-4-10-610469-5 ハーバード大学の先生が書いたエッセイ。 内容的には授業の進め方とかあれこれ書かれた雑多な読み物だが、ハーバード大学の先生が書いた、という以上のものはないと思う。それでよければという本か。 私は特に面…

『連分数のふしぎ 無理数の発見から超越数まで』

木村俊一 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257770-0 連分数に関連して書かれた数学読み物。 割と初歩から理詰めで書かれているので、個人的には面白かった。興味があるならば、よい本だと思う。 ぱっと見て分かりやすくはないこと、後半部分は証明も省…

『武士マニュアル』

氏家幹人 著 メディアファクトリー新書 ISBN978-4-8401-4567-1 武士がどのような言動を行うべきか指南されたマニュアル本を紐解いて描かれた江戸読み物。 大体のところ、この著者らしい江戸読み物で、興味があるならば読んでみても、という本か。 この著者の…

『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」』

鈴森康一 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257768-7 ロボット工学に関して書かれた読み物。 一応の内容としては、力学的幾何学的制約からロボットと生物の構造や形が似てしまうこと、漸進的進化が及ばないことをロボットはできるのだから生物を超える…

『史上最大の発明アルゴリズム』

(デイヴィッド・バーリンスキ 著/林大 訳)を放り投げた。 一言でいえば自己陶酔ポエム。 早川文庫のノンフィクションとはどうもあまり相性がよくない気がする。

『大往生したいなら 老人ホーム選びは他人にまかせるな!』

本岡類 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03679-9 老人ホームや介護施設など高齢者用住居を選ぶことについて書かれた読み物。 全体に、それなりの読み物という本か。興味があるならば読んでみても、というところ。 老人ホーム選びに絶対的な正解というものはない…

『マヤ文明 密林に栄えた石器文化』

青山和夫 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431364-9 マヤ文明についての入門読み物。 ややとりとめもなく書かれた雑多な読み物で、そうしたものでよければ、という本か。 よくも悪くも、研究者が書いた雑多な読み物という以上のものはない。 読み捨てのコンビニ文…

『生物から生命へ 共進化で読みとく』

有田隆也 著 ちくま新書 ISBN978-4-480-06657-2 俺のやってることすげーということが書かれた本。 それ以上の意味は、私には読み取れなかった。 複雑系の本というのは大体こんなものではあるが、せめて『こんなこと』やってる俺すげーにしてくれないと、とは…

『源氏物語の結婚 平安朝の婚姻制度と恋愛譚』

工藤重矩 著 中公新書 ISBN978-4-12-102156-4 平安貴族社会を一夫多妻制ではなく親同士が決めた正妻を重視する一夫一妻制であるとした上で、源氏の正妻でない紫の上が正妻にも勝る待遇を獲得する物語として『源氏物語』を解釈・敷衍した本。 割と面白かった…

『五感で読む漢字』

張莉 著 文春新書 ISBN978-4-16-660853-9 五感に関連した漢字について、その成り立ちを述べた読み物。 おおむね、普通にありそうな漢字雑学読み物か。そうしたものでよければ読んでみてもよい本だと思う。 比較文化論的な話もなくはないが、漢字雑学読み物と…

『激安エアラインの時代 なぜ安いのか、本当に安全なのか』

杉浦一機 著 平凡社新書 ISBN978-4-582-85632-3 LCC(ローコストキャリア)など、航空業界の現状に関してあれこれのことが書かれた本。 総花的な入門概説で、あれこれ書かれてはいるが、深くはない。そうしたものでよければ、という本か。 特別ではないが…

『米国キャンパス「拝金」報告 これは日本のモデルなのか?』

宮田由紀夫 著 中公新書ラクレ ISBN978-4-12-150413-5 アメリカの大学の現状と問題点を記した本。 基本的には、タイトルにもあるようにアメリカの大学が拝金主義に堕していると書いたもの。 特別ではないが、それなりといえばそれなりのレポートで、そうした…

『銀行員のキミョーな世界 なぜ行内事情を押しつけるのか』

津田倫男 著 中公新書ラクレ ISBN978-4-12-150412-8 元銀行員が銀行員の生態について書いた読み物。 特別ではないが、では悪いかというと、悪いほどでもないという本か。 興味があるなら読んでみても、というところだが、無理に読むほどでもない。 本書につ…

『近現代日本史と歴史学 書き替えられてきた過去』

成田龍一 著 中公新書 ISBN978-4-12-102150-2 マルクス主義史観的な立ち位置から、戦後における近代日本史研究の動向を研究対象の時代ごとにいくつか分けてまとめた学説史。 相当に断片的な紹介で、面白いとはいえず、分かりにくくもある上に、マルクス主義…

『謎解き 関ヶ原合戦 戦国最大の戦い、20の謎』

桐野作人 著 アスキー新書 ISBN978-4-04-886074-1 関ヶ原の合戦に関して書かれた本。 合戦そのものというよりは関ヶ原に至る進軍ルートを中心に、サブタイトルに20の謎とあるようにいくつかのトピックだけを拾ったもので、読みやすくはあるがかなり断片的で…

『明治めちゃくちゃ物語 勝海舟の腹芸』

野口武彦 著 新潮新書 ISBN978-4-10-610455-8 戊辰戦争の時期に起こった事件やエピソードなどが書かれた歴史読み物。 薩摩藩邸焼き討ちから箱館降伏まで、この期間の歴史を追った細かくはあるが深くはなくさらりと流した週刊誌の連載読み物で、そうしたもの…

『決算書の9割は嘘である』

大村大次郎 著 幻冬舎新書 ISBN978-4-344-98244-4 決算書の嘘に関して書かれた読み物。 脱税や粉飾といった決算書の嘘の見抜き方を元国税調査官が述べた一般向けの読み物で、そうしたものでよければ、という本か。 やや決め付けが強いような気のする箇所もあ…

『銃の科学 知られざるファイヤー・アームズの秘密』

かのよしのり 著 サイエンス・アイ新書 ISBN978-4-7973-6412-5 銃に関する雑学本。 大体のところコンビニ文庫本的な雑学本で、探せば本当に文庫でありそうだが、オールカラーで写真などが多いので、そこに価値を見出せるなら本書の方が、という本か。 そうし…

『黄金比はすべてを美しくするか? 最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語』

マリオ・リヴィオ 著/斉藤隆央 訳 ハヤカワ文庫NF ISBN978-4-15-050377-2 黄金比に関して書かれた数学読本。 全体に、特にどうということはない数学読み物か。 ところどころ分かりにくい箇所があること、説明が読者を驚かせようとしすぎてやや数学神秘主…

『はじめてのノモンハン事件』

森山庸平 著 PHP新書 ISBN978-4-569-80181-0 ノモンハン事件の概略を追った本。 ほぼ概略を追っただけだが、初心者向けにやさしく書いてはあるので、そうしたものでよければ、という本か。 あらましを知るには悪くない本だと思う。 いくつかの基礎文献に…

『成熟社会の経済学』

(小野善康 著)を途中で挫折した。 共産主義的でちょっと気持ち悪い。 全体的には、なんというか、ガンの特効薬に関するニュースを見ている感じか。バラ色のことばかり書いているが、絶対そんなにうまくいかないから、というところが。 第一に、政府の能力を…

『東京 消える生き物 増える生き物』

川上洋一 著 メディアファクトリー新書 ISBN978-4-8401-4346-2 東京で数を増やしていたり減っていたりする生き物について書かれた読み物。 大体のところ、特にということはないが悪くもない生き物読本で、興味があるならば読んでみても、という本か。 どちら…

『ケインズとハイエク 貨幣と市場への問い』

松原隆一郎 著 講談社現代新書 ISBN978-4-06-288130-2 ケインズとハイエクを比較、紹介した本。 私には、本書が何をいっているのかはよく分からなかったし、何をいいたいのかも分からなかった。予めケインズとハイエクについてある程度以上知っている人でな…

『ご老人は謎だらけ 老年行動学が解き明かす』

佐藤眞一 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03660-7 老人の心理や行動に関して書かれた本。 あちこちからいろんな理論を引っ張ってきたごった煮ツギハギの雑論だが、面白くないわけではない。そうしたものでよければ、という本か。 特別というほどではないが、悪…

『西洋音楽論 クラシックに狂気を聴け』

森本恭正 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03659-1 音楽家がヨーロッパ音楽に関して語ったエッセイ。 特にということはないが悪くもないエッセイで、音楽家が書いたエッセイでよければ、という本か。 エッセイなので合う人には合うだろう。 しかし、音楽家が音…

『江戸のお白洲 史料が語る犯科帳の真実』

山本博文 著 文春文庫 ISBN978-4-16-780165-6 江戸時代の犯罪事件をいくつか紹介した読み物。 面白いといえば面白いがありがちといえばありがちの、よくある江戸犯罪読み物。そうしたもので良ければ、という本か。 ありがちなので、どういう本かは想定しやす…

『日本人の戦争 作家の日記を読む』

ドナルド・キーン 著/角地幸男 訳 文春文庫 ISBN978-4-16-765180-0 太平洋戦争中及びその前後の日本の作家の日記をいくつか紹介した本。 その作家が戦争の推移に関して感じたことや作家の戦争観などを中心にまとめたものだが、特にこれといったテーマはなく…