『鉄道会社はややこしい』

所澤秀樹 著
光文社新書
ISBN978-4-334-03687-4
直通運転や相互乗り入れなど、鉄道会社同士の関係について書かれた本。
基本的には、外側から見て分かることを書いたデータ集で、好きな人にはそれなりの雑学本というところだと思う。興味があるならば読んでみても、という本か。
データ集なので、あまり内幕というほどのものはないし、いろいろ載ってるだけで一本調子で終わってしまう感はある。
特にというほどではないが、雑学本としてはこんなものか。
興味があるならば読んでみても、という本だろう。

以下メモ。
・直通運転で他社の車両が自社線路を走る場合、財務的には車両を借り入れていることになるので、相殺して現金取引をなくすためには、両方の会社が同じだけの総営業キロ数を乗り入れた方がいい。
そのため、片方の会社の車両が他社路線をずっと行ったり来たりするという運用例も割と見られる。
阪神なんば線は、近鉄の折り返し線に接続したため、大阪難波止まりの近鉄車両が回送列車として桜川駅まで入ってくる。
乗務員の交代は桜川駅で行われ、大阪難波―桜川間は、近鉄が指令業務を担当し使われている信号機等も近鉄仕様のものである。
・JR飯田線名鉄名古屋本線は、飯田線が前身の豊川鉄道だったころにそれぞれの単線を併せることで複線になったので、豊橋から途中まで、上り線(豊橋行)が名鉄の所有、下り線がJR東海の所有である。