『米国キャンパス「拝金」報告 これは日本のモデルなのか?』

宮田由紀夫 著
中公新書ラクレ
ISBN978-4-12-150413-5
アメリカの大学の現状と問題点を記した本。
基本的には、タイトルにもあるようにアメリカの大学が拝金主義に堕していると書いたもの。
特別ではないが、それなりといえばそれなりのレポートで、そうしたものでよければという本か。
ただし、内輪向けに甘い本ではあり、アメリカ流の変革を迫られている大学関係者が溜飲を下げるための本、という以上のものはないと思う。一般向けにどうこうという本ではない。
そうしたものでよければ、という本だろう。

以下メモ。
・乗馬などによるスポーツ推薦は、遠回りした縁故入学となっている。
・縁故入学もアファーマティブアクションも大学の裁量権に依拠しているので、アファーマティブアクションがなくなった州では州立大学が縁故入学をなくしたりしている。
最高裁判事の自身や子弟にも縁故入学者は多いためにアファーマティブアクション違憲にならないだろうと発言する判事もいる。
・AO入試などで十分な学生を確保すると、一般入試で入ってくる学生の数を絞り、点数を上げられるので、大学の評価を高くすることができる。