『西洋音楽論 クラシックに狂気を聴け』

森本恭正 著
光文社新書
ISBN978-4-334-03659-1
楽家がヨーロッパ音楽に関して語ったエッセイ。
特にということはないが悪くもないエッセイで、音楽家が書いたエッセイでよければ、という本か。
エッセイなので合う人には合うだろう。
しかし、音楽家が音楽について書いているのだから問題はないはずだが、猟師が作った料理、くらいの感じではある。音楽評論家が書いたなら、行進曲を左足から始めるのは左足を前に出したときに右足で強く蹴るからではとか、いいたいこともあるが、音楽家だからこんなものなんでしょう、というところか。
後は、音楽家が書いたエッセイが読みたければ、というところ。
そうしたものでよければ読んでみても、という本だろう。

以下メモ。
西洋音楽は人工的なものであり、自然な不整数倍音の中から整数倍音に基づく調性音楽を作り上げた。
・そしてその人工的な調性音楽による旋律を奏でることによって、西洋音楽の音楽家は自己を主張する。
・オーケストラの団員には難聴者が多く、今では耳栓をして演奏する人もいる。