『源氏物語の結婚 平安朝の婚姻制度と恋愛譚』

工藤重矩 著
中公新書
ISBN978-4-12-102156-4
平安貴族社会を一夫多妻制ではなく親同士が決めた正妻を重視する一夫一妻制であるとした上で、源氏の正妻でない紫の上が正妻にも勝る待遇を獲得する物語として『源氏物語』を解釈・敷衍した本。
割と面白かったので、そうしたものでよければ読んでみてもいい本か。
ただし、あまり初心者向きではないと思う。基本的には源氏物語を読んだことがある人向けのサブ読本。原文で、といったらハードルを上げすぎだろうが、あながち間違ってもいない感じか。
一夫一妻か一夫多妻かは言葉の定義しだいというところではあるが、後は興味があればというところだと思う。
興味があるならば読んでみてもよい本だろう。

以下メモ。
・平安貴族が通い婚だというのは、正妻でない女性との間のことで、正妻と一緒に住んでいたのだから、他の女性のところには通うしかなかった。