2020-01-01から1年間の記事一覧

AはBである。Cだ。

『昭和史の本質 良心と偽善のあいだ』保阪正康 著新潮新書ISBN978-4-10-610857-0文学者の言葉をネタに著者が好き勝手書いたエッセイ。私には本書の論旨展開とか論理構造というものがまったく理解できなかった。著者に好意的に判断するなら、きっと、私の知ら…

概論

『地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場はなぜ逆転するのか』菅沼悠介 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-519243-6地質年代チバニアンと、その標準地層の、千葉に見られる地層などが示す地磁気逆転について書かれた本。詳細ではないがおおざっぱに大体の…

言い訳で良ければ

『トラックドライバーにも言わせて』橋本愛喜 著新潮新書ISBN978-4-10-610854-9トラックドライバーの事情を書いた本。一方的な言い訳ではあるが、それで良ければ、という本か。トラックドライバーにも言い分はあるだろうから、これはこれで、というものでは…

仮説紹介

『ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ』マーク・ チャンギージー著/柴田裕之 訳ハヤカワ文庫ISBN978-4-15-050555-4ヒトの視覚に関する著者の仮説を四つ書いた本。仮説を書いたものとしては、面白かった。そうしたもので良ければ、という本か。四…

技巧派

『向田邦子ベスト・エッセイ』向田邦子 著/向田和子 編ちくま文庫ISBN978-4-480-43659-7向田邦子のエッセイ選集。特になんということもない昭和の日常エッセイで、それで良ければという本か。若い人に分かりにくい面はあるかもしれない。個人的には、エッセ…

特に何かがあるわけではない

『毒々生物の奇妙な進化』クリスティー・ウィルコックス 著/垂水雄二 訳文春文庫ISBN978-4-16-791467-7毒を持った生物に関して書かれた読み物。良くいえば、現状の研究のまとめ、といえなくもないが、まだあまりよく分かっていないというのが妥当なところで…

面白くない、のがある意味面白い、かもしれない

『木戸幸一 内大臣の太平洋戦争』川田稔 著文春新書ISBN978-4-16-661253-6内大臣時代の木戸幸一の軌跡を追った本。誰かの孫というだけの凡庸な政治家がいかに失敗したかを描いたもので、基本的に面白くはない。その面白くないのを面白く読める人なら、という…

サブタイトルどおり

『数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ』松岡学 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-518745-6自然数から実数、複素数、そして四元数へと拡張されてきた数の世界について説明した本。そう深くはないし詳細でも簡単でもないが、とりあえずのこと…

エッセイ

『進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語』千葉聡 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-518721-0進化生物学者が書いたエッセイ。エッセイとしては読みやすく確かにうまいが、進化生物学的な内容としてはあまりたいしたものはない。そうしたもので良けれ…

第一章だけは面白い

『戦国、まずい飯!』黒澤はゆま 著集英社インターナショナル新書ISBN978-4-7976-8048-5戦国時代の料理にチャレンジしました、という読み物。雑誌かなにかの連載っぽい感じの、やや雑多な適当なまとめ。小説家が書いているので読みやすくはあり、読み物で良…

EBC

『科学的に正しい子育て 東大医学部卒ママ医師が伝える』森田麻里子 著光文社新書ISBN978-4-334-04452-7根拠に基づく子育て、エビデンスベースドチャイルドリリングを目指した本。やや雑多で、いろいろ集めただけ、という感じはしないでもないが、それで良け…

読み物

『時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」』吉田伸夫 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-518463-9時間に関して書かれた物理学読み物。分かっていることのまとめとか最新理論の紹介とかではなく、時間に関して書い…

それは新潮的な

『マトリ 厚労省麻薬取締官』瀬戸晴海 著新潮新書ISBN978-4-10-610847-1退官した麻薬取締官が自らがしてきたような仕事について書いた本。退官者のエッセイ、といえば、そうしたものなので、それで良ければという本だが、視野が狭い気はする。誰しも自分がし…

読み物としてなら

『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』ルイス・ダートネル 著/東郷えりか 訳河出文庫ISBN978-4-309-46480-0現代科学技術の助けを受けずにどれだけ科学技術を使えるか考察してみた読み物。読み物としては面白くないわけではないが、あまりそれ以上…

教科書

『離散数学入門 整数の誕生から「無限」まで』芳沢光雄 著講談社ブルーバックスISBN978-4-06-518178-2離散数学に関する教科書的な本。ほぼ教科書なので、教科書で良ければ、という本か。読み物とかではないし、分かりやすくも入門でもない。教科書なので、こ…

人間関係エッセイ

『地雷を踏むな 大人のための危機突破術』田中優介 著新潮新書ISBN978-4-10-610840-2危機管理コンサルタントの人が書いたエッセイ。危機管理について書かれていないわけではないが、どちらかといえば、危機管理を行うための人間関係の構築法についてのエッセ…

啓蒙主義と見まがう楽観的科学万能観

『すごい物理学講義』カルロ・ロベッリ 著/竹内薫 監訳 栗原俊秀 訳河出書房文庫ISBN978-4-309-46705-4ループ量子重力理論について紹介した本。超ひも理論の本はいっぱいあってもループ量子重力のものは初めて読んだので、個人的には興味深かった。科学万能…

エッセイ

『宇宙は無限か有限か』松原隆彦 著光文社新書ISBN978-4-334-04445-9宇宙が無限か有限かについて考察した試論エッセイ。科学概説書ではなくエッセイなので、エッセイで良ければ、という本。エッセイなので読みやすいが、内容的に重厚感はない。あとは、そう…

領導

『中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係』益尾知佐子 著中公新書ISBN978-4-12-102568-5国内的な社会関係から中国の外交が導かれていると解説した本。中国に宥和的でよく分からない議論をしている部分もあるが、そうしたもので良ければ、ひとつの行動原理…

一応評伝といえば評伝だが

『新説 坂本龍馬』町田明広 著集英社インターナショナル新書ISBN978-4-7976-8045-4薩摩藩関係者として坂本龍馬を描いた本。あまりまとまってもいないし、丁寧でもなく、悪く言えば書きたいことを書き散らしたという本だが、そういうものだと割り切れれば、そ…