2018-01-01から1年間の記事一覧

『スポーツの現場ではたらく』

小松ゆたか 著 イースト・プレスイースト新書Q ISBN978-4-7816-8041-5 スポーツドクターをしていた著者が、アスリート以外の人がスポーツの現場で働くとはどういうことか、またそのなり方などを記した本。 割と正面切ってスポーツの現場で働く道を探ったリ…

『日本の公教育 学力・コスト・民主主義』

中澤渉 著 中公新書 ISBN978-4-12-102477-0 公教育の意義についてまとめた概説。 基本的に護教書なので、護教の概説でよいのなら、という本か。 意義を説いているのだからいいのかもしれないが、こうまで論じる対象に全幅の信頼感を寄せる本というのはどうな…

『本当は面白い数学の話』

岡部恒治・本丸諒 著 SBクリエイティブサイエンス・アイ新書 ISBN978-4-7973-9595-2 数学読み物。 最後の微積分のところを除いてはそれなりに楽しい数学読み物だが、微積分の話は相当に駆け足なので、予め知っている人でないとほぼ分からないと思う。 そこ…

『誰も書かなかった老人ホーム』

小嶋勝利 著 祥伝社新書 ISBN978-4-396-11532-6 老人ホーム紹介業者の人が老人ホームに関してあれこれと書いたコラムエッセイ。 あまりテーマはないというか、身も蓋もなくいってしまえば、老人ホームのよしあしなんて人それぞれで難しいのだから選び方は本…

『悪いヤツほど出世する』

ジェフリー・フェファー 著/村井章子 訳 日経ビジネス人文庫 ISBN978-4-532-19855-8 リーダー教育を批判した本。 出世するのはもともと押しの強い自己中心的で自信過剰なナルシストだし、リーダーになれば、嫌いな部下も自分を殺して正当に扱わなければなら…

『したがるオスと嫌がるメスの生物学 昆虫学者が明かす「愛」の限界』

宮竹貴久 著 集英社新書 ISBN978-4-08-721021-7 昆虫学者が自分の研究事例を元に性的対立について書いた本。 自分の研究事例なのでエピソード的で読みやすく、テーマ的にも結構きっちりしているので、割とお薦めできる本だと思う。 よくここまでテーマに沿っ…

『経済数学入門の入門』

田中久稔 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431707-4 経済学において数学がどのように使われているか、書いた本。 個人的にはそれほど感心はしなかったが、経済数学を学びたい人が学習の前にその実際の使われ方を知っておくことには効果はあるのだろうから、それで…

『ナポレオン 最後の専制君主、最初の近代政治家』

杉本淑彦 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431706-7 ナポレオンの活動を記した本。 伝記というよりは簡潔な動向記録といった感じの本で、それでよければ読んでみても、という本か。 新書レベルの簡潔なまとめなので、初学者にはよいかもしれない。 ただしその分、…

『伝わる技術 力を引き出すコミュニケーション』

風間八宏 著 講談社現代新書 ISBN978-4-06-220997-7 現名古屋グランパス監督によるサッカー指導論。 サッカーの指導書なんか読んだことがない私には面白かった。サッカー指導論でよければ読んでみても、という本か。 ライターの聞き書きだろうから割とまとま…

『「行動経済学」人生相談室』

ダン・アリエリー 著/櫻井祐子 訳 ハヤカワ文庫NF ISBN978-4-15-050517-2 ダン・アリエリーが書いた雑誌の人生相談への回答集。 一つ一つは非常に短いので、ファンが買うようなエッセイ集、という以上のものはないと思う。それでよければ、という本か。 …

『言ってはいけない宇宙論 物理学7大タブー』

小谷太郎 著 幻冬舎新書 ISBN978-4-344-98485-1 宇宙物理学においてまだ分かっていないことに関して書かれた読み物。 読み物といえば一冊の読み物なので、それでよければ、という本か。 どうということもない物理学読み物だが、ブラックホールがエントロピー…

『倭の五王 王位継承と五世紀に東アジア』

河内春人 著 中公新書 ISBN978-4-12-102470-1 倭の五王について書かれた本。 中国史書に出てくる五人の倭国王について、その中国史書の記述を中核に著者の考えを描いたもので、そうしたものといえばそうしたものという本か。それでよければ読んでみても、と…

『方程式のガロア群 深遠な解の仕組みを理解する』

金重明 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502046-3 ガロア群について書かれた本。 ガロアの群論を、現代的な理解でなく、ガロアが考えた射程から捉えようとした本で、そうしたものでよければ、という本か。 別の切り口から、ということで、別ではない群…

『棋士とAI アルファ碁から始まった未来』

王銘エン 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431731-2 プロ棋士がアルファ碁やAIについて考察したエッセイ。 結構突っ込んで書かれた本で、それゆえの欠点もあるが、個人的には面白かったので、興味がある人にはお薦めしたい。 割とプロ棋士に語ってもらいたいと思…

『剣と清貧のヨーロッパ 中世の騎士修道会と托鉢修道会』

佐藤彰一 著 中公新書 ISBN978-4-12-102467-1 西欧の中世後半に活動した、騎士修道会と托鉢修道会という二つの修道士運動について書かれた本。 あまり全体的なテーマや方向性はなく、それぞれの雑多な寄せ集めであるが、そういうものでよければ、という本か…

『我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち』

川端裕人 著/海部陽介 監修 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502037-1 ジャワ原人やフローレス原人など、アジアにいた原人について書かれた本。 大体の感じとしては、人類進化学者の研究エッセイをライターが取材を元に書いた、という感じの本で、それで…

『通じない日本語 世代差・地域差からみる言葉の不思議』

窪薗晴夫 著 平凡社新書 ISBN978-4-582-85861-7 言葉が変化するときの構造について書かれた本。 内容的には、言葉が変化した結果として起こるディスコミュニケーションについて書かれたものだが、その変化がどういう構造を持っているかの説明のほうが面白か…

『兼好法師 徒然草に記されなかった真実』

小川剛生 著 中公新書 ISBN978-4-12-102463-3 兼好法師の生涯に関して書かれた本。 伝記ではなく、兼好法師の消息が分かる数少ない同時代史料を丹念に読み解いたもので、史料解説としては十分に面白かった。興味があるならばお薦めしたい。 史料はどうしても…

『ルネサンス再入門 複数形の文化』

澤井繁男 著 平凡社新書 ISBN978-4-582-85859-4 ルネサンスには近代的要素と中世的要素とが平行して存在していた、ということが書かれた本。 実証主義的ではなく思弁的な本だが、それでよければそうしたもの、という本か。興味があるなら読んでみても、とい…

『現代暗号入門 いかにして秘密は守られるのか』

神永正博 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-502035-7 暗号について書かれた本。 入門というほど簡単ではないが、現代の暗号技術全般について軽くまとめられているので、そうした面での需要はあると思う。それでよければ、という本か。 例えば、ビットコ…