『剣と清貧のヨーロッパ 中世の騎士修道会と托鉢修道会』

佐藤彰一
中公新書
ISBN978-4-12-102467-1
西欧の中世後半に活動した、騎士修道会托鉢修道会という二つの修道士運動について書かれた本。
あまり全体的なテーマや方向性はなく、それぞれの雑多な寄せ集めであるが、そういうものでよければ、という本か。
特にいい本ではないと思うが、元々好事家向けのものではあるので、これはこれでというところなのだろう。
叙任権闘争とか十字軍とか、西欧中世史についてある程度の知識がないと楽しめないだろうし。
中世史の一断面といえば、一断面。
それでよければ、という本だろう。

以下メモ。
テンプル騎士団が金融業に手を染めたのは、聖地にいる騎士たちへの送金の必要性からだった。
・貨幣の造幣権を得たドイツ騎士団では、十年ごとに貨幣を改定し、旧貨十八枚に対して新貨十二枚の比率で交換した。
托鉢修道会は、都市に基盤を置き、都市住民を宣教相手とした。