『悪いヤツほど出世する』

ジェフリー・フェファー 著/村井章子 訳
日経ビジネス人文庫
ISBN978-4-532-19855-8
リーダー教育を批判した本。
出世するのはもともと押しの強い自己中心的で自信過剰なナルシストだし、リーダーになれば、嫌いな部下も自分を殺して正当に扱わなければならず、どんな不利な状況になっても泰然と何も問題はないとうそぶかなければならず、好機を見逃してもならないのだから、リーダーに謙虚や誠実や自分らしさや思いやりを期待するのは間違っている、リーダー教育産業はめったにいない例外かただの自己宣伝を真に受けてこれらが真のリーダーだと褒め称えるが、その神話にすがってどこにもいないすばらしいリーダーに頼るのではなく、自分の身は自分で守らなければならない、と説いたもの。
なんというか、厨二病というか、高二病の保守みたいな、現実はそんなに甘くないんだよ、といった本で、保守的な私としては面白く読めた。それでよければ、という本か。
高二病に過ぎないのではないか、という気はしないでもないが。
そういうものなんだろうか。
夢見る少女ではいられない。
個人的には面白かったので、そうしたものでよければ、お薦めしたい。

以下メモ。
・ヒトは、自分が考えるほどには他人のウソを見抜けない。ウソがばれることは少ない。
・組織と個人関係とでは倫理や対応が異なる。出張帰りの空港に友人が迎えにくれば恩義を感じるが、同僚や部下が迎えにくれば業務の一環である。