2007-01-01から1年間の記事一覧

『近代科学の源流』

伊東俊太郎 著 中公文庫 ISBN978-4-12-204916-1 中世西欧科学史について書かれた本。 一応、タイトルにもなっているように、近代科学の源流を探るというモチーフはあり、完全に通史という訳でもないが、選択にあたっては、ほぼ通史、と考えておいた方が良い…

『数学する精神 正しさの創造、美しさの発見』

加藤文元 著 中公新書 ISBN978-4-12-101912-7 数学に関して書かれたエッセイ。 内容云々は措いといて、選択に当たっては、数学に関して書かれた試論、とでも考えておくのが良い本か。 (内容としては、大体において、パスカルの三角形を色々に拡張していった…

ふるさと納税制度

が出身地でない場所への納税を可能とする制度になるのだとすると、マスコミの注目を集めることに成功したごく少数の自治体のみに専らお金が流れることが想定されるから、自治体の首長には、予めマスコミの注目を浴びやすい有名人やタレントがなることが増え…

『火山噴火 予知と減災を考える』

鎌田浩毅 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431094-5 火山に関しての入門概説書。 入門概説というか、ガイドブックみたいな感じの本か。 火山噴火の種類や減災について等、火山に関する様々なことが手堅くこぎれいにまとめられたもので、その分、インパクトや厚みの…

一番北は北極圏、

一番南は南極圏。では東京があるけんは?

『非線形科学』

蔵本由紀 著 集英社新書 ISBN978-4-08-720408-7 複雑系に関する科学読み物。 細かくいうなら、非線形現象についての数理モデルに関して書かれたものだが、大体のところ、複雑系についてのありがちな本、と考えておけば間違いないだろう。 そうしたもので良け…

開運!なんでも鑑定団で、

説明VTRが長い場合はホンモノ、という法則を思い付いたが、当たっているかどうかは知らない。

一般的にいって、女性器

というのは男性の目から見てグロテスクだとされることが多いように思うが、考えてみれば、これは少し妙なことのように思われる。 普通に考えて、動物のオスというものは、同じ種の(発情した)メスの女性器を見た時に性的に興奮するように進化するものではな…

『イヌからネコから伝染るんです。』

藤田絋一郎 著 講談社文庫 ISBN978-4-06-275851-2 人畜共通感染症に関して書かれた本。 回虫がいなくなってアレルギーが、とか、伝染病に強いO型は外向的だ、とかの、例によって例の如くの部分もあるが、基本的には、人畜共通感染症に関しての啓蒙読み物、…

フロイトは、

原初の社会では、年長の息子には父との対立から過酷な運命が待っており、父の老衰を活用できる年少の息子が父の代わりに地位を得ることができたので、その残照が様々な伝説に残っている、と書いている。 『日本書紀』を読んだ時に、弟が跡を嗣ぐ話が多い、と…

『幻想の未来/文化への不満』

フロイト 著/中山元 訳 光文社古典新訳文庫 ISBN978-4-334-75140-1 フロイトによる宗教批判を集めた論集。 『幻想の未来』『文化への不満』と、『人間モーセと一神教』の一部を訳したもの。 全体的に、精神分析をある程度知っている人が、興味を持つのなら…

秋華賞のテレビCMは、

例によって例の如くの予想行為だった。 ダイワスカーレットは来ないのだろうか。 今年は、でもそんなの関係ねぇ〜、とかいって突っ込んでくるかもしれないが。 (10月20日付記:結局突っ込んできた上に、菊花賞のCMも使い回しだった)

『高いところが好き』

田部井淳子 著 小学館文庫 ISBN978-4-09-408206-7 著者が7大陸最高峰に登頂した時のことを綴った体験記。 (7大陸というのは、ユーラシア大陸をアジアとヨーロッパとに別けている。ヨーロッパ最高峰はロシアにあるエルブルース。オセアニアの最高峰は、オ…

『スポーツニュースは恐い 刷り込まれる<日本人>』

森田浩之 著 NHK生活人新書 ISBN978-4-14-088232-0 スポーツニュースが、いかに社会の主流派のイデオロギーを垂れ流しているか、ということについて書かれた本。 内容的にもテーマ的にも、人文系読み物としてありがちといえばありがちな本なので、そうい…

人生いかに生きるべきか、

という問いに対しては、人生いかに生きるべきかを問わない、というただ一つの方策があるのみである。 けだし、この世には、真実を求めない、というただ一つの真実があるのみだからである。

『サムライとヤクザ 「男」の来た道』

氏家幹人 著 ちくま新書 ISBN978-4-480-06381-6 江戸時代の泰平の世に武士が軟弱化した傾向等について書かれたエッセイ。 テーマ的には、サムライが軟弱化した代わりに、陸尺と呼ばれた駕籠かき等の奉公人に武威がアウトソーシングされた、という話になるの…

『解離性障害 「うしろに誰かいる」の精神病理』

柴山雅俊 著 ちくま新書 ISBN978-4-480-06383-0 解離性障害に関して書かれた本。 全体的に、かなり理念的、思弁的色彩の濃い本だが、そうしたもので良ければ、解離性障害についての理念的な概説、という本か。 理念的・思弁的であることは、頭でっかちになっ…

『人口学への招待 少子・高齢化はどこまで解明されたか』

河野稠果 著 中公新書 ISBN978-4-12-101910-3 人口学に関する入門概説書。 少子化や人口減少にある程度的を絞ったものではあるのだろうが、新書レベルの概説としては、標準的な入門概説、と考えて良い本か。 必要な事柄を箇条書きにまとめたりとか、見てすぐ…

『ナノカーボンの科学 セレンディピティーから始まった大発見の物語』

篠原久典 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257566-9 フラーレンやカーボンナノチューブの発見、研究史が書かれた読み物。 著者によれば、これらの物質が偶然に発見された、ということが面白い、のだそうで、それを中心に描かれた話ではあるのだが、私…

不意に思い付いて

今日一日ニヤニヤできた言葉↓。 別に面白い訳ではないが、googleタン男爵も一致するページが見つからないといっておられるので。 ゆうこりん系殺虫剤。

『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ ハイテク海洋動物学への招待』

佐藤克文 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03416-0 著者が自らの研究に関して書いたエッセイ。 著者の専門は、人間が直接観察することの難しい海中を泳ぐ動物に、いろいろな記録計を付けることで、その動物の行動を探っていこうというバイオロギングサイエンス…

今、解散総選挙を求める考え、

というのは、よく分からん。政治理念的に、ではなく。 第一に、衆議院第一党の自民党は、かつてない歴史的な議席数を誇っているのだから、次の選挙は、たとえ勝って単独過半数を維持したとしても、選挙前と比べて議席減になることは避け難い。 第二に、衆議…

『ネオリベラリズムの精神分析』

を殆ど読まずに挫折した。無理。 岩波や集英社新書なら買わなかっただろうし、ちくまや講談社現代新書ならもっと警戒しただろうが、光文社新書でこういうのが出てくるとは思わなかった。 もっと軽い読み物かと思った。

『夏王朝 中国文明の現像』

岡村秀典 著 講談社学術文庫 ISBN978-4-06-159829-4 中国夏王朝の伝説と、その時代に属すると思われる遺跡について書かれた本。 大体のところ、夏王朝に関する啓蒙概説書、と考えておけば良い本か。 考古学的な無味な記述もないではないが、一通りまとまって…

安倍首相がテロ特措法と心中

するつもりなのだとしたら、郵政民営化法案と心中しようとした小泉前首相と同じことをしよう、というのが頭にあるのだろうか。テロ特措法ではいかにも筋が悪そうだが、歴史は繰り返す、二度目は喜劇として、ということもあるかもしれないので、侮れん。

近代日本に、

男性の学歴は(出自に関係なく自ら)獲得するものであり、女性の学歴は(その出自から)受け継がれるものである、という社会通念があったとするならば、現在の日本においてよくなされる、格差が学歴の差を生みその学歴の差が格差を再生産する、という議論は…

郷ひろみが『青い珊瑚礁』

を歌っているCMには驚いたが、しかし思うに、男性用化粧品メーカーのCMなのに、広告対象である男性が、昔の恋人の歌を歌っているタレント、昔の恋人の歌を歌わせているCM作製側に好意を持つ、と本気で考えて、この企画を採用しているのだろうか。 (グ…

『僕がテレビ屋サトーです 名物ディレクター奮戦記』

佐藤孝吉 著 文春文庫PLUS ISBN978-4-16-771317-1 テレビのディレクターが自らの経験を語った半自伝的なエッセイ。 基本的に、人生の成功者が自分の経験を語った本なので、面白く読めると思う。興味があるならば、読んでみても良い本。 昭和の無頼派というか…

『ボナンザVS勝負脳 最強将棋ソフトは人間を超えるか』

保木邦仁/渡辺明 著 角川oneテーマ21 ISBN978-4-04-710107-4 将棋ソフトの開発者と、その将棋ソフトと対局した渡辺竜王とが書いた本。 将棋ソフトのことや対局の経過等について、あれこれと雑多に書かれたもので、大体のところ、この両者が書いた雑誌の…

そういえば、

吉田茂より後の日本の総理大臣は、返り咲きということをしていないが、これは何か日本の戦後政治の特質から来ているのだろうか。 55年体制における自民党一党支配の下、選挙による政権交代とその返り咲きとが全く起こらなかった、ということは、一つの要因…