2013-01-01から1年間の記事一覧

『腎臓のはなし 130グラムの臓器の大きな役割』

坂井健雄 著 中公新書 ISBN978-4-12-102214-1 腎臓に関する教科書。 中公新書の科学書にありがちな、ガッチガチに固めで容赦のない本なので、そういうのでいいという人向け。一言でいえば、教科書。 教科書よりは安いし、役には立つのだろうけど、面白おかし…

『からだの中の外界 腸のふしぎ 最大の免疫器官にして第二のゲノム格納庫』

上野川修一 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257812-7 腸にかんしていろいろ書かれた読み物。 少し読みにくい面はあるが、色々読本といえば、色々読本。 ヒトを生物進化の頂点に立っていると書くような本は、個人的にはどうかと思うが。 そうしたとこ…

『マネー・ボール〔完全版〕』

マイケル・ルイス 著/中山宥 訳 ハヤカワ文庫NF ISBN978-4-15-050387-1 統計データを使って陽の当たらない安い選手を集めたオークランドア・スレチックスの2002年シーズンの快進撃を中心に描いたノンフィクション。 基本的にはなかなか面白い本で、お薦めで…

『株・手形・不動産 「騙し」の手口 平成経済裏面史』

相楽総一 著 双葉新書 ISBN978-4-575-15409-2 株、手形、不動産に絡んだ経済知能犯罪について書かれた読み物。 推理小説雑誌の連載をまとめたもの、ということで、それらしいコラム集的な読み物ではある。そうしたものでよければ、という本か。 読み物といえ…

『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』

志賀櫻 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431417-2 タックス・ヘイブン絶対悪の立場からタックス・ヘイブンについて書いた本。 一方的に書かれているので、多分書かれていないこともあるだろうし、私にはいい本だとは思えなかった。 あと、テインテッド・インカム方…

『日経新聞の真実 なぜ御用メディアと言われるのか』

田村秀男 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03737-6 著者によるエッセイ。 一応、日経新聞に代表される経済ジャーナリズムのあり方を批判したものだが、それよりも著者が自由に好き勝手書いたエッセイ、と考えた方がいい。 自賛毀他というか自己顕示というか、そ…

『藤原道長の日常生活』

倉本一宏 著 講談社現代新書 ISBN978-4-06-288196-8 『御堂関白記』などの古記録の記述を元に藤原道長について紹介した本。 この時代のことに興味があってよく調べている人向きか。いろいろ参考になる人なら面白く読める本なのだろうと思う。そういう人向き…

『誰かに話してみたくなる 数学小噺』

芳沢光雄 著 KKベストセラーズ・ベスト新書 ISBN978-4-584-12398-0 軽い数学読み物。 一応笑える話を目指してみたということだが、そこまでおかしくはないと思う。 軽い読み物といえば読み物。よくいえば、そうしたものでよければという本か。 笑えるほど…

『高校生からの経済データ入門』

吉本佳生 著 ちくま新書 ISBN978-4-480-06705-0 様々な経済データの読み方に関して書かれた入門読み物。 よくは分からないが、入門読み物でよければ、という本か。 そう特別なものでもないとは思うが、では高校生ぐらいの人に最適な素晴らしい入門書があった…

『縮む世界でどう生き延びるか?』

長谷川英祐 著 メディアファクトリー新書 ISBN978-4-8401-4925-9 縮小する環境に適応した生物に関して書かれたエッセイ。 それを教訓に縮小する経済環境で生き残るすべを探ろう、という趣旨の本ではあるが、そこまでの教訓はないと思う。 生物学者があれこれ…

『聖書考古学 遺跡が語る史実』

長谷川修一 著 中公新書 ISBN978-4-12-102205-9 聖書が語っている時代や場所を対象にした考古学に関して書かれた本。 軽くさらりと読める入門読み物で、特に護教的だったりということもないので、そうしたものでよければ読んでみても、という本か。 気軽に読…

『ヘタウマ文化論』

山藤章二 著 岩波新書 ISBN978-4-00-431415-8 ヘタウマに関する随筆。 エッセイといっても論ではなく完全に随筆なので、著者の随筆を読みたいという人向き。著者の随筆でよければ、という本か。 ここまで完全に随筆だと、内容が云々という期待はすべきではな…

『院政とは何だったか 「権門体制論」を見直す』

岡野友彦 著 PHP新書 ISBN978-4-569-81065-2 権門体制論について書かれた本。 一応院政に関する記述が主ではあるが、それは権門体制の極北として院政が語られているからなので、権門体制論についての本だと考えておいた方がいい。一般向けに書かれた権門…

『男の気くばり』

森村誠一 著 KKベストセラーズ・ベスト新書 ISBN978-4-584-12396-6 気配りに関して書かれたエッセイ。 基本的に、気配りは大切だねという原則論を説いたもので、そうしたエッセイでよければ、という本か。 全部がとはいわないが、老人の繰言に近いものはあ…

『ブラック・マネジメント ビジネスで勝ち残るための思考と戦術』

丸山祐介 著 双葉新書 ISBN978-4-575-15403-0 裏社会のノウハウを元に、ビジネスマンとして勝ち上がっていくための技術を論じた本。 結構ガチにノウハウ本を目指しているので、ノウハウ本がほしければ、というものか。 ノウハウだから適材適所で使えば不正解…

『山県有朋の「奇兵隊戦記」』

一坂太郎 著 洋泉社・歴史新書y ISBN978-4-8003-0073-7 山県有朋の回想録を元に描いた幕末奇兵隊の戦記。 個人的な感想としてはとりたてて新しい視座や新発見があるのではなかったが、奇兵隊の戦記としては一つの戦記という本か。そうしたものでよければ読…

『太陽に何が起きているか』

常田佐久 著 文春新書 ISBN978-4-16-660888-1 太陽物理学者が書いた研究エッセイ。 大体のところ新書の研究エッセイとしてはこんなものという感じの本か。興味があるならば、読んでみてもよい本。 とりたてて特別のものではないが、とりたてて悪くもなく。と…

『飛ばし 日本企業と外資系金融の共謀』

田中周紀 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03723-9 バブル崩壊からオリンパスまで、飛ばしがかかわった経済事件について書かれた本。 いくつかの事件をまとめただけではあるが、経済事件簿としてはまずまずという本か。興味があるならば読んでみてもという本。 …

『新しいウイルス入門 単なる病原体でなく生物進化の立役者?』

武村政春 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257801-1 ウイルスに関して書かれた本。 入門書といえば入門書なのだろうが、ややとりとめもなく雑多に書かれたコラムっぽい感じの本。そうしたものでよければ、という本か。 特別でもないが、悪くもなく。 …

『北朝鮮からの生還 ある10歳の少年の引き揚げ記録』

久木村久 著 光人社NF文庫 ISBN978-4-7698-2768-9 第二次世界大戦敗戦後に38度線以北のソ連支配地域から引き揚げてきた著者の記録。 断固戦争反対みたいなまえがきとあとがきがちょっとうざいが、後は普通の引き揚げ記録か。普通であり、特別ということも…

『大原孫三郎 善意と戦略の経営者』

兼田麗子 著 中公新書 ISBN978-4-12-102196-0 大原孫三郎の業績についてまとめた本。 評伝というよりは業績をまとめたものだが、特別ではなく悪くもない人物伝。 大原美術館に行ったときにでも記念に買って読むもの、くらいに考えれば悪くないのではなかろう…

『シャノンの情報理論入門 価値ある情報を高速に、正確に送る』

高岡詠子 著 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-257795-3 シャノンが展開した情報理論について書かれた本。 別にこんなものといえばこんなものだが、あまり簡単ではないと思う。 本書は、数式『で』説明してくれるのはいいのだが、基本的に数式『を』説明し…

『日本の「情報と外交」』

孫崎亨 著 PHP新書 ISBN978-4-569-80972-4 外務省出身の著者が自身の経験を元に情報に対するかかわり方を述べた本。 特別の内容があるのでもなくそんなにすごいという本でもないが、エッセイ風で軽く読めるので、興味があれば読んでみてよい本だと思う。 …

『教室内カースト』

鈴木翔 著 光文社新書 ISBN978-4-334-03719-2 スクールカーストについて、インタビューを元にその素描を試みた本。 インタビューなので主観的な話をまとめただけという感はあるが、面白い部分もあったので、そうしたものでよければ、という本か。 教師はスク…