『腎臓のはなし 130グラムの臓器の大きな役割』

坂井健雄 著
中公新書
ISBN978-4-12-102214-1
腎臓に関する教科書。
中公新書科学書にありがちな、ガッチガチに固めで容赦のない本なので、そういうのでいいという人向け。一言でいえば、教科書。
教科書よりは安いし、役には立つのだろうけど、面白おかしい部分はまったくない。
あくまで教科書でよければ、という本だろう。

以下メモ。
・腎臓は、糸球体で大量にろ過した尿のほとんどを尿細管で再吸収することによって、環境に合わせて余裕を持って尿を作っている。
・尿の黄色い色の元は、赤血球のヘモグロビンが持つヘムで、再利用されずに肝臓で処理されて胆汁中に放出され、その一部が再吸収されたものである。
つまり糞の色と元は同じ。
・血液をろ過する腎臓の糸球体にある足細胞は再生しないので、腎臓は歳とともに徐々に壊れて小さくなっていく。
・腎臓の髄質では、尿から再吸収したナトリウムと尿素の濃度が通常の体液の五倍くらいになっており、尿はその浸透圧によって水分が再吸収され、体液よりも濃くなる。
・体内のナトリウムイオン濃度は厳密にコントロールされており、ナトリウムイオンが増えると、濃度は変わらないため体液が増える。体液が増えると血液の量が増えて、血圧が上がる。