『日本の「情報と外交」』

孫崎亨 著
PHP新書
ISBN978-4-569-80972-4
外務省出身の著者が自身の経験を元に情報に対するかかわり方を述べた本。
特別の内容があるのでもなくそんなにすごいという本でもないが、エッセイ風で軽く読めるので、興味があれば読んでみてよい本だと思う。
あっさり風味で割と読みやすい。
外交や諜報について知らない人なら、結構楽しめるのではないだろうか。
特別な内容はないが、入門としてはこんなものだと思う。
興味があれば読んでみてもよい本だろう。

以下メモ。
・情報というのは人によって価値や解釈が異なるものなので、アメリカの情報組織ではトップに情報を集めるのではなく実務者間で情報を共有する方向へと進んでいる。
・政策を優先したい人にとってそれを阻害する情報は邪魔なので、政策グループと情報グループはしばしば対立し、そして大概は情報グループが負ける。
・90年代アメリカでは、日本脅威論が確かに力を持っていた。
・インテリジェンスは行動のための指針となるものだから、独自の行動を取らない日本に結局情報は必要ない。
・防諜と対外工作では仕事の進め方や人に対する評価も違うので、組織は分けた方がいい。