『極悪警部 金・女・シャブと警察の闇』

織川隆 著
だいわ文庫
ISBN978-4-479-30108-0
北海道警の警部が起こした事件について書かれた本。
ノンフィクションとしてはやや心許ない感もあるが、読み物としてはそう悪くはない本か。積極的に薦めるのではないが、興味があるならば読んでみても、というところ。
ストーリー的には、警部が、拳銃摘発の実績を上げるため、道警幹部の圧力と承認の元に暴力団等と癒着してヤラセで摘発を行い、その内に、拳銃や覚醒剤の密輸、密売に手を染めていった、というものだが、事件そのものの概要は余り詳らかでなく、とりわけ道警幹部の関与等には、憶測の範疇に留まる部分があるかもしれない。その点で、事件もののノンフィクションとしては、突っ込みが足りず、物足りないきらいは残る。警部の犯罪についての詳細がないため、極悪警部、とタイトルに付ける程の極悪な部分の描写がある訳でもない。
ただ、読み物としてそれなりのものはあり、いろいろと興味深い部分もあるので、悪いとまではいえない本だと思う。
積極的に薦めるのではないが、興味があるならば読んでみても、という本だろう。