『倫理問題101問』

マーティン・コーエン 著 榑沼範久 訳
ちくま学芸文庫
ISBN978-4-480-09059-1
様々な倫理問題に関して書かれた本。
倫理に関するいろいろな断片を適当にちぎって鍋に放り込んだだけの代物で、余りにもまとまりがなく、ラプソディックで分かり難いものなので、私には、良い本だとはとても思えなかった。
良く解釈すれば、あれこれと問題を出すから、後は読者がそれについて考えて欲しい、という本なのだろうから、問題を出してくれれば後はこちらで考える、という人向けの本なのか。その問題も、何が争点なのかよく分からなかったりもするのだが。本書の記述で分かる人には、いろいろ詰まっていて面白い、のかもしれない。
倫理学的にここまでのことははっきりしているというような記述は、倫理学においては望むべくもないことは最初から分かってはいたが、それにしても、もう少しまとめようがあるのではないだろうか。
本書程度では全く以ってしょうがないだろう、と私なら思う。