『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』

武居俊樹
文春文庫
ISBN978-4-16-771731-5
編集者が赤塚不二夫の思い出を綴った伝記風読み物。
内容的には、担当の編集者が担当漫画家の思い出を書いた、という以上のものはないが、すっきりと綺麗にまとまっていて、良くできた本ではないかと思う。
いろいろとエピソードも載っていて面白いので、興味があるならば、読んでみても良い本ではないだろうか。
クセがあるとしたら、美空ひばりの話があちこちに挿入されていることくらいか。後は、著者の兄の詩が延々4ページに渡って載っていることとか。著者の構想では、赤塚不二夫も大好きだった美空ひばりを一つの歴史の軸にするつもりだったのかもしれないが、美空ひばりの時代をリアルタイムで経験したのではない世代の私には、そこは少しよく分からなかった。
それ以外は、編集者が担当漫画家のことを書いた標準的な本で、すっきりとまとまっているし、エピソードもいろいろ書かれているので、割と良い本ではないかと思う。
興味があるならば、読んでみても良い本だろう。