『観光都市 江戸の誕生』

安藤優一郎 著
新潮新書
ISBN4-10-610122-X
光都市という観点から江戸を描いた読み物。
大体のところは、ありがちな江戸読み物の一つ、と考えてほぼ間違いはない本か。
私としては結構面白かったので、江戸読み物の中では上位に入れて良い本だと思うが、別にそう特別という程でもない、というところ。所詮は江戸読み物だし。
特記しておくようなことはなく、読んでみたければ読んでみても、という以外に述べることはない本だろう。
以下、メモ。
・江戸後期には、開帳も飽和状態になって、エンターテイメント性が進んだり、失敗する事例も増えていった。
・初代市川團十郎が、父の故郷に近い成田不動に祈願をして子供(二代目團十郎)を得たことから、市川團十郎成田山新勝寺の関係は深く、團十郎が成田不動を演じたり、江戸において開帳を行うことで、成田山新勝寺のネームバリューが広まっていった。ただし、新勝寺平将門の調伏に関連した寺であるため、神田明神の氏子は江戸での開帳に訪れることはなかったという。
・大名屋敷にある神仏を公開して得られた賽銭やお札の売上は、大名の収入になった。