『終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ』

木村元彦
集英社新書
ISBN4-08-720297-6
コソボ紛争後のセルビア・モンテネグロの近況をいくつか描いた本。
タイプ的には、俺様は弱い者の味方だぜ、という感じのありがちなルポルタージュ、と考えて大体大過のない本か。私はそういうのが大嫌いなので、本書も好きになれる本ではなかったが、こういうのが好きな人には、それなりの本ではあるのかもしれない。
ただし、書かれているところが結構飛び飛びで、流れが掴み難いような部分はある。旧ユーゴのことをある程度知っている人向き。というか、本書は、現在ある旧ユーゴを巡る言説に対するカウンターバランスなのであり、従って当然、現在ある旧ユーゴを巡る言説を予め了解していること、が求められるのだろう。
そうしたもので良ければ勝手に読んで下さい、という本。