『エピゲノムと生命 DNAだけでない「遺伝」のしくみ』

太田邦史 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257829-5
同じDNAでも細胞によって遺伝子の使われ方が異なることに関してあれこれと書かれた本。
基本的に多くのことが雑多に放り込まれた本で、雑学本として見られるなら面白いが、現実にはそこまでいかずに、なんだかよく分からない、という感じの本になるのではないかと思う。
分かりやすくはないし、まとまりはよくないし、まだよく分かっていないことも多いようだし、無理に読むほどでもないのではなかろうか。
雑学本として読めて、たくさんの事例があって面白いと思える人向き。
それでもよければ、という本だろう。

以下メモ。
・DNAやヒストンのメチル化、アセチル化にかかわる酵素は、栄養経路や代謝経路の中間代謝産物を使うことが多く、これらのエピゲノム修飾が栄養状態に対する適応から進化してきたことをうかがわせる。
・哺乳類では母親由来の遺伝子や父親由来の遺伝子だけを利用するゲノム刷り込みという利用パターンがあるが、胎盤を使うために生じてきたのではないかと考えられる。