『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』

ダン・アリエリー 著/熊谷淳子 訳
ハヤカワ文庫NF
ISBN978-4-15-050391-8
行動経済学に関する入門読み物。
著者らが行った実験を現実の例も含めて面白く描いているので、割といい本だとは思う。興味があるならば読んでみてもいい本。
ただし、入門読み物は入門読み物でそれを越えるものではないし、行動経済学に関する本はすでにいろいろ出ているので、行動経済学の本を何冊か読んでいる人には満足度は大きく下がるだろう。
アメリカでの実験なので、日本で成り立つかという話もあるし。
逆に、行動経済学の本をこれから読むという人にはいいのではないだろうか。
それでよければ読んでみても、という本だろう。

以下メモ。
・少しでもお金が絡むと社会規範から市場規範に話が移ってしまう。無料の飴を配っても人は自分一人だけ大量に持っていくことはしないが、一個一セントにすると大量に持っていく。
・人は、自分が不正をしていないと言い訳できる状況下では、不正を働く。寮の冷蔵庫にコーラを入れておくと誰かが飲んでしまうが、現金を入れておいても(明らかな窃盗になるため)誰も盗まない。